民主党の代表選挙は、きょう一日に告示される。14日の投開票に向けて党を二分した戦いに突入する。菅首相VS小沢前幹事長の対決は、民主党内の抗争なのだが、次の総理大臣を決める選挙なのだから、国民にとっても無関心で済ませるわけには参らない。
争点はいくつかあるが、最大の課題は今の日本経済の停滞傾向を打破する政策提言にあるのではないか。菅首相VS小沢前幹事長の対決が、単なる権力闘争に終わらせてはならない。単なる権力闘争に終始すれば、民主党が沈没するだけでなく、日本経済が沈没の危機に瀕する。
戦後の日本経済は高度経済成長路線と安定経済成長路線の対立の狭間で推移してきた。ある意味では、田中角栄流の成長路線と福田赳夫流の成長路線の違いが、形を変えて今も続いている。それぞれが、その時代背景の下で一長一短を示してきたが、経済は生き物だから一律に当否を論じるのは間違っている。
今の日本経済は、バブル崩壊後、福田流の安定経済成長路線の変形で推移してきたと言って良い。言うなら旧大蔵省、今の財務省あるいは日本銀行の舵取りの主導で来ている。それなりの役割を果たしてきたと言っていい。
だが、この路線で今の日本経済の停滞を乗り切れるだろうか。産業界を覆う産業の空洞化は予想を上回るスピードで進行している。日本経済は、それを乗り切る力をまだ持っている。だから、思い切った産業政策の転換を図れば、危機の突破が可能な筈である。
それにしては、菅首相も小沢前幹事長も有効な手立てを示していない。こんな時には古きをたずねて新しきを知る智恵が必要なのではないか。日本経済の成長重視派は石橋湛山、池田勇人、田中角栄であった。石橋湛山はインフレ経済が正しく機能すれば、停滞している日本経済が活気を持った成長路線に乗ると喝破していた。
今の財務省も日本銀行もインフレ率が1%程度で推移すれば、成長路線を堅持できると見ている。この診断は時宜を得たものであろうか。石橋湛山が生きていれば、3%程度のインフレ率に引き上げても、国民経済は深刻なインフレに見舞われる心配はないと言うであろう。
経済全体のパイを広げることで、目下の停滞現象を突破する拡大経済成長路線を石橋湛山は提唱する筈である。節約路線に執着するかぎり縮小均衡から脱することは出来ない。小沢氏が石橋湛山、池田勇人、田中角栄の申し子と自負するなら、思い切った成長重視路線を打ち出す必要があろう。果たしてその政策を小沢氏が持っているのだろうか。
杜父魚文庫
コメント
人民元が国際基軸通貨になるのが当然だと思います。東アジア共同体、麻生首相が言ったところの自由と繁栄の弧、かつての大東亜共栄圏の基軸通貨になるのは、確たる根拠と言えるものが無いのが悔しいですが、至極当然のことだと思います。
参考)http://www.tanakanews.com/
さて、たまたま、今日、TBSのIRISを初めて最終回に見ました。コマーシャルを見ていたら、上野の西郷隆盛像の首を、SMAPの若い人(確かマヨネーズが好きだった人です)が、持ち上げているのを見ました。コマーシャルとは言え、明治維新の最重要人物の首を取るという映像は、大変ショッキングでした。
マスコミ、広告業界、朝鮮半島のみなさんにとって、西郷隆盛がどのようなイメージで受け止められているのか、非常に勉強になりました。
東アジア史を学ぶ者は、コマーシャルも含めて、北朝鮮と韓国が一体になってテロ集団と闘うIRISを、絶対見ておくべきだと思います。最終回なので、もうテレビで見ることも無いと思いますが、そのように感じました。
やはり天安沈没の陰には、IRISのような非常に不穏な集団がいるはずだ。これに対して、東アジアは中国の下に結束し、韓国、北朝鮮に金銭的フォローを行いながら、日本は事態を注視していかなければならないと感じました。これは、きっと民主党政権でなくてはできないことだと思います。
さて、本題ですが、最近の日本の政局は、やはり隠れ多極主義者の策動によるものとしか考えられません。
小沢氏と菅氏の闘い、一見、内輪もめのようにも見えます。ただ、結局のところ、鳩山氏、そして輿石氏(教職員組合出身!)という、日本政治の重鎮達のトロイカ体制を築くための洗礼。民主党が挙党一致体制になって、反米、親中・親東アジア体制を築くための洗礼式。
麻生首相の言葉を鳩山首相の言葉で言い替えるなら「宇宙と友愛の弧」を実現するための多極主義の重要な布石だと思われます。