中国軍の高級幹部およそ1000名が退職あるいは移動。胡錦濤は結局、人民解放軍を完全に掌握できない裡に任期切れか?
香港の有力雑誌『争鳴』(2010年八月号)に拠れば、胡錦濤は現時点でさえ、軍を完全に掌握するにいたらず、両者の関係はしっくりいってはいない、と分析した。
胡錦涛は中国人民解放軍には八つの弱点があると指摘し、(1)軍人としての使命感、職業意識の希薄さ。(2)政治思想の薄弱。(3)軍の命令系統とリーダーシップ系列の混乱。(4)管理、規律の不如意と錯乱。(5)新装備の訓練不足。(6)非常事態における指揮系統の乱雑さと混乱。(7)装備、武器管理の不徹底と事故頻発。(8)軍幹部の腐敗などが問題であるとした。
サラリーマン化し、ノルマさえ果たせば使命感が希釈化しても、祖国を守るという神聖な責任感が、あの中国人民解放軍においてさえ、かくも画然と希釈化した原因は拝金主義、高給取りの軍幹部を甘やかした江沢民時代からの悪弊であるが、胡錦涛はそれらを八つの問題点で暗示・示唆した。
すでに2009年10月の国慶節軍事パレード以後、13の省軍区(7つの軍管区とは別)と12の集団で合計1080名の高級幹部が異動ないしは引退した。
このうち少将29名、大校(師クラス)42名、副帥クラス59名などを含む高級幹部に合計80億元の退職金(高価請走)を支払い、その大盤振る舞いには痛切な批判が生じていると同誌が伝えた。
これらにより軍の不能率だった組織の改編が実現し、悪性の事故などによる欠員も新兵の訓練補充などで補填作業は完了した、などと軍は報告しているという。
杜父魚文庫
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