6176 北朝鮮、近く核実験の可能性=米専門家 古沢襄

<【ワシントン時事】米タフツ大学のイ・ソンユン講師は2日までに、米外交専門誌フォーリン・アフェアーズ(電子版)に寄稿し、北朝鮮が建国記念日前日の8日や朝鮮労働党創建日の10月10日に新たな核実験を行う可能性があると指摘した。
イ氏は、1960年代初めから北朝鮮の手法は一貫しており、軍事的・政治的瀬戸際政策により譲歩を勝ち取ってきたと分析。北朝鮮との交渉再開を拒むオバマ米政権に譲歩を促し、新たな交渉を来年初めに開始するため、数カ月以内に3回目の核実験を行うとの見方を示した。(時事)>
八月二十九日の杜父魚ブログで「分からない金正日総書記の中国訪問」を私は書いた。米国からカーター元大統領という元首クラスを招待しながら、会談を放棄して中国に行ってしまったのは何故か。よほどの緊急事態があったとしか思えない。
韓国の朝鮮日報は「米韓合同軍事演習に反発した中朝両国が、三カ月ぶりに首脳が再会し血盟関係を強調」と分析しているが、納得できる説明とはなっていない。
北朝鮮は、九月初めの労働党代表者大会で、注目の後継体制を明らかにするという観測がある。その前に盟邦である中国に後継者キム・ジョンウン氏を伴って、金正日総書記が長春市で南湖賓館で胡錦濤・中国国家主席と首脳会談したという観測情報(聯合ニュース)もある。
それなら舞台は首都・北京だろう。地方都市の長春市という点が、いささか納得できない。おまけに金正日総書記の姿は日本のメデイアにも撮影されたが、キム・ジョンウン氏の姿は捉えられなかった。
そこで「少し飛躍するかもしれないが、キム・ジョンウン氏への後継体制を明らかにする行事として、核実験を誇示するつもりでいるのではないか。そのために事前に中国の了解を求めたとすれば納得できる。中国側が納得したかは別問題なのだが・・・」という臆測をしてみた。
ワシントンからの時事報道は、メデイアの扱いは小さいが、私にとって気になる情報である。
これもメデイアでは扱われていないが、中国筋のネット情報で金正日総書記の異例の訪中は、北朝鮮の外交上の四面楚歌ぶりを示しているという前提で、「香港のニュースサイトによれば、中国のオフィシャルメディアは胡総書記について”党中央を代表して”金正日総書記を熱烈歓迎したと報道した点に注目している。
これまでの報道は「党と政府と人民を代表して」という装飾語がついていたのに、今回は党の代表という立場に限定されていた。この違いは何か。
前回の金正日総書記訪中時には、天安号事件にからむ米・韓との武力衝突を前提に中国側に戦闘機供与を要請し、きっぱり拒否されたという情報も伝えていた。
中国の北朝鮮問題研究者はフェニックステレビの番組で、北朝鮮側はすでに和平統一の政策を変更して武力統一政策にシフトしている可能性を指摘している。北朝鮮という小さな不良の“義弟”の扱いに中国が苦慮している様子が窺われる。
中国という大きな義兄は朝鮮半島で軍事緊張を高める軍事援助をするつもりがないであろう。だが”窮鼠”が独自に三回目の核実験を行う可能性が依然として残っている。米国タフツ大学のイ・ソンユン講師はそれを指摘している。
杜父魚文庫

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