6179 激しさを増す民主党の代表選挙 古沢襄

民主党の代表選挙を機会に党内のグループが派閥化する兆しがみえる。これまでの民主党は派閥という言葉を嫌い、出入り自由のグループという名称を使ってきた。古い自民党の派閥とは違うという意味合いもあって、一人の議員が複数のグループに属するケースもある。仲良しクラブの性格だったといえよう。
だが菅首相と小沢前幹事長が代表の座をめぐって激突する状況下でグループの結束が重視されている。これまでの仲良しクラブでは済まされないことから、むしろ結束を重視するグループに変わりつつある。自民党の方が派閥の結束が流動化する兆しをみせて、民主党はグループが結束を重くみる”派閥化”の傾向がみえる。
たとえば菅政権を支え、脱小沢路線を鮮明にした前原グループから細野豪志幹事長代理が小沢支持を表明した。かつては野田グループだった樽床伸二国対委員長は樽床グループを作って小沢支持。逆に鳩山前首相は小沢支持を表明したが、鳩山グループの牧野聖修衆院議員は菅支持。新生党や新進党で小沢氏と行動をともにしてきた渡部恒三元衆院副議長、石井一選挙対策本部長代理は菅支持で小沢氏と袂を別っている。
代表選挙が終われば、ノーサイドで挙党一致というが、これだけ血で血を洗う激しい選挙戦を演じると党内の亀裂を修復するのは容易でない。
今のところ各メデイアの支持動向調査では小沢氏が一歩リードして、菅首相が猛追している形勢となっている。国会議員票では小沢氏が優位にあるが、地方議員票では菅首相が過半数を得ているという。その国会議員票も小沢グループ百五十人、鳩山グループ五十人の二百人をまだ固め切れていない。
結局は三十四万二千四百九十三人の党員・サポーター票の300ポイントが勝敗を決する決め手になりそうだから、代表選挙の行方は予断を許さない情勢となった。
杜父魚文庫

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