今まで経験したことのない残暑。昼間、街頭でポスターを張っていると、頭がぼーっとする。こういう経験は今までなかった。やはり、最高の残暑だ。諸兄姉もお体をご自愛されますようお願いします。
さて、民主党党首選について、まとまった論考が書けない。その理由は最高の残暑と最低の政治の故だろう。本年初めの民主党大会を思い起こそう。あのときは、小沢一郎氏と内閣総理大臣と政権与党が全党を上げて、「検察ファッショと戦うぞー」と叫び、小沢幹事長の疑惑を捜査する検察を「権力の横暴」であり「ファッショ」だと非難していた。
それが今は何か!「検察が適正な捜査を尽くされた結果、不起訴と判断されたのです」だと。だから党首選挙に出馬することに何の問題もないと言いたいのだ。
よくもまあ、舌が乾かぬうちにころりと正反対のことがいえるものだ。本年初めは、「検察は悪で間違っている」。残暑のなかでは「検察は正しい」。さらに、検察は正しいので、国民有志による検察審査会の判断は考慮する必要なし。
それで、めでたく党首選挙になったというわけだ。では、二人は、何を争っているのか。国家観か、歴史観か、菅談話けしからんか、菅談話合格点か。外国人参政権反対か、夫婦別姓けしからんか。集団的自衛権行使当然か、憲法9条信奉か。以上は、全く話題にも上らない。
・・・では、何か。それは、結局、「俺に重要な役職をよこせ」、「いやだ」の争いである。もっと分かりやすく、小沢流に言えば、「菅が総理を続けたいならば、俺の手下になれ」だ。
菅はこれを断った。そして、党首選挙。何とばからしい「私闘」であろうか。つまり、小沢氏は、我が国の国家体制において、総理大臣の上位に自らを位置づけるよう要求したのだ。つまり、これは「令外の官」である。かつて奈良時代から始まる律令体制の時代に、時の推移に伴い新興勢力を満足させるために律令に無い官職が必要となった。これを令外の官という。
小沢氏は、千三百年後の現在において、唯自分のために、令外の官を要求した。もはや、彼小沢は、近代法治国家の人間ではない。人治の世界の者、自分のために国家体制という秩序を無視する者である。
このくそ暑いときに、一体、何をやっているのか!しかも、国家的課題にそっぽをむいて!そっぽをむくどころか、我が国の安全保障上の重要問題、普天間基地移転問題を私闘に利用してぐちゃぐちゃにして顧みない。要するに、この者達に、我が国家を担う能力も資格も無いことが明らかになった。
それどころか、彼らは徒党を組んで集まって、それぞれ小沢と菅の「がんばろうー」をしている。頭の中からっぽのゴマすり集団の姿である。従って彼らは、この自らの行為によって、自分たちには国政を担う「意思」が無いことを示している。
馬鹿馬鹿しくて、これ以上書く気がしない。馬鹿者、貴様ら、歳費を返上しろ!というわけで、三日前、親しいテレビ放送会社の政治部長経験者と電話で話した。
「この頃ねー、ニュースを見るのがいやなんだ、あれらの顔が写るんで」
「実は、僕もニュース見るのいやなんだ、あの馬鹿馬鹿しいプロセスを見てもつまらない」
「へー、テレビ会社の人間でもニュースを見るのがいやなのか」
また、ポスターを貼らしていただいている家の人との会話。
「西村さん、政治どうなってるんですか、めちゃめちゃでんがな」
「そうです、くそ暑い中、めちゃめちゃです。最高の残暑に最低の政治です」
さらに、海上自衛隊幹部の異動の挨拶に対する返事。
「貴官らには、まことに気の毒な事態です。何故なら、今、最低の最高指揮官を選んでいるからです」
ここまで書いて、民主党の党首選挙とは脈絡はないが、かつてチャーチルが言ったことを想い出した。チャーチルは、第二次世界大戦において、ソビエトのスターリンを支援した。ある人が、チャーチルに質問した。
何故、反共の貴方がソビエト共産党のスターリンを支援するんだと。これに対して、チャーチルは、次のように応えた。「小生は、ヒットラーが地獄に攻め入ったならば、悪魔を支援するんだ」
民主党の党首選挙は、このチャーチルが直面した問題とはほど遠い。脈絡はない。まことに規模の小さい、私利私欲の人とええ格好しいの左翼の争いである。
外国人を含む誰か分からない「民主党員」と称する集団が、「大変劣悪な日本人」か「非常に劣悪な日本人」かのどちらかを選ぶのである。
従って、どちらの結果も劣悪であろう。その為に、参議院選挙の六月末から九月一杯、政治は空白である。世界も笑っている。
日本国民、同胞諸兄姉、ようくこの惨めな事態を見つめよう、そして決して、この悔しさを忘れることなく、大和魂を呼び起こし、次の衆議院総選挙を、必ず、誇りある日本の再興への出発点にしよう!
杜父魚文庫
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