6266 わくわくさせない改造内閣 花岡信昭

それにしても、わくわくさせるものがない菅改造内閣だ。カンはカンでも「勘違い」のカンかもしれない。代表選を制して、菅首相が取った態度は「脱小沢シフト」をさらに徹底させるというものだった。
小沢、輿石両氏に代表代行への就任を打診、小沢氏らは当然ながら拒否した。小沢氏にとっては、名ばかりの代表代行ポストを提示されるというのは、屈辱以外のなにものでもない。
ノーサイドだの挙党態勢だのと言っていたのがウソだったかのように、菅氏は開き直った。表情がいっぺんに明るくなった。
政治の世界での挙党態勢とは、そんな生易しいものではない。党内を二分した小沢氏との激戦を終えて、勝利感に酔っている菅首相だが、小沢氏の「リベンジ」の機会を自ら用意してしまった。
かつての自民党は、福田赳夫氏が総裁・首相になったとき、大平正芳氏を幹事長で遇した。そういう芸当がいいのか悪いのか、ここで論評する気はないが、それが政治の知恵というものである。
だが、挙党態勢を本当に築こうとするのなら、いくらなんでも代表代行の提示はない。小沢氏を無任所の副総理で遇してでもいたら、様相は一変していたはずだ。
閣僚のうち、小沢氏に投票したのは、3人だけである。小沢系の議員は一人として選ばれなかった。
論功行賞人事と形容するのも恥ずかしくなるほどの露骨さである。これが現代的な政権操縦法ということか。
岡田克也氏は悩んだあげく、幹事長就任を受け入れた。ナンバー2の位置を占めたわけだから、菅氏が退陣するような事態になったとき、後継候補の一番手につけたという見方もあろう。
一方で、一蓮托生の責任を負わされる可能性もある。首相の座への一歩となるのか、貧乏くじを引いたというべきか、ここはなんともいえない。
菅首相は代表選で「大勝」したことになっているが、これは独特のポイント制が菅氏に味方したためだ。国会議員票は完全に拮抗した。議員200人が小沢氏に投票した重みをどこまで厳しく認識していたか。
これは、党内に200人規模の「巨大反主流派」が誕生したことを意味する。菅首相にしてみれば、いずれ200人からぼろぼろと落ちこぼれが生じて、党内を掌握できると踏んだのだろう。
小沢氏には検察審査会の2度目の判断によって、強制起訴されるという局面が待っている。「小沢剛腕神話の終焉」を菅首相は確信したのであろう。
そうとでも考えないと、これだけ徹底した「小沢外し人事」を行えるわけがない。
政治は権力闘争の場だから、どうぞご勝手にという以外にない。今回の菅首相の手法が成功したのなら、お見事ということになる。
逆の方向に働いたら、菅首相だけではなく民主党そのものがなんとも無残な姿をさらすことになる。党の分裂を回避したのか、先送りしたのか、その可能性をふくらませてしまったのか。そのあたりの状況はこの段階では分からない。
わくわくさせない改造内閣と書いたが、1人だけ、どうしても菅氏の意図が不明な人がいる。
国家公安委員長の岡崎トミ子氏だ。消費者・少子化担当だけならどうでもいい。旧社会党出身、韓国で反日デモに参加して問題化した人である。こともあろうに国家公安委員長とは。
これには警察当局幹部たちは驚いたに違いない。警察当局がマークすべき対象であったはずの人が最高トップの座に乗り込んできたのである。繰り返すが、外国で反日デモに参加した政治家である。
菅首相はそのことの理不尽さ、重大さに気付いていたのかどうか。これは改造内閣のレベルを象徴する重要なポイントといえるかもしれない。
杜父魚文庫

コメント

  1. ワン太 より:

    わくわくより、ヒヤヒヤしませんか?
    どうでもいいけど(ミンス政権誕生以来この言葉が定番となった)
    こいつらホント国民の気持ちを逆撫でしてくれる。
    千葉と仲井のペアも凄かったけんど、
    仲井もあの醜悪な千葉法務大臣もやっと居なくなったと安心したら、今度はトミ子が公安委員長?????
    この女、タダモンではないでしょう。
    国籍は?由来は?
    この従軍慰安婦だった(?)、韓国の日本大使館反日デモに日の丸にペケ(バッテン)して演説をこいたオバハンを日本国民は絶対に忘れません。
    これで、トミ子も次回選挙で確実に落選する。

  2. rokubeisan より:

    現状の全体感から言うと花岡先生の言われる通りだと思いますが、小沢派に幹事長を渡して、党の資金で小沢派を増やすことに全力をあげられたら困ったのでしょう。どのポジションについても、小沢さんはノーサイドにも、一兵卒にもならないと思います。大平さんとは違います。

  3. いつも楽しく観ております。
    とても魅力的な記事でした。
    また遊びにきます。
    ありがとうございます。

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