6276 この違和感はいったい、何だ 花岡信昭

菅首相が「大勝」したとされる民主党代表選。その勢いに乗って「脱小沢」を一段と徹底させた菅新体制。こうした流れを大いなる違和感を持って見つめている。
「菅大勝」は錯覚だ・・・といったタイトルの記事を書いたのも、そうした心地悪さがどうしてもぬぐえないためだ。
案の定、「小沢擁護でそんなことを言っているのか」「ポイントであれだけ離したのだから大勝に違いはない」といった声が寄せられている。
選挙の仕組みがああなっているのだから、ポイント制で計算する以上、たしかに菅首相は「ポイントでは大勝」したのだろう。
だが、民主党国会議員の半数200人が小沢氏に投票したという事実をあまりに軽視しすぎているのではないか。
そこのところをきっちりと検証しておかないと、今後の展開を間違えることになりはしないか。
ポイントで大差をつけたのは、党員・サポーター票による。34万の党員・サポーターだが、「18歳以上」「在日外国人もOK」という、この党独特のシステムだ。
法律で決められた仕組みではない。民主党という「寄せ集め・バラバラ政党」の内規にすぎない。はっきりいえば、この党員・サポーターなる集団は、得体のしれないかたまりだ。在日外国人がどの程度含まれているのか、党としても把握していないらしい。
党員・サポーターになった覚えはないのに投票券が送られてきたとか、一部議員が白紙のままの回収に歩いたとか、いろいろな話も伝わっている。そういってはなんだが、自民党の党員のほうが、まだ「素性」がはっきりしている。
かつては、党費丸抱えで支持団体や企業の名簿を借りて党員にしたといった話もあった。犬や猫の名前まで「借用」して党員に仕立てたという話も聞いた。
党員予備選挙の開票作業に当たった自民党の事務局員から「同じ筆跡の投票券がごそっと出てきた」といったたぐいのことも聞いたことがある。よろこばしくないことは確かだが、自民党支持者の枠内にあるのだから、まだまし、という見方もできる。
それに対して、民主党の党員・サポーターというのは、どうにもあやうい得体のしれない集団に見える。
政治記者のかつての仲間の一人が、おもしろそうだから2000円払ってサポーターになってみたよ、と笑って言う。けして民主党支持者とは思えない人物である。
まあ、メディアに属している以上、一方のサポーターになるというのは好ましくはないのだが、そこで目くじら立ててもはじまらない。
民主党が野党でいるうちは、それでもよかった。いまや政権党である。代表がそのまま首相になる。その代表選挙を左右し、「大勝」というイメージをつくり出したのが党員・サポーターなのだ。
これはどこかおかしくないか。せめて民主党は在日外国人がどれだけいるか、名簿を調べ直して公表すべきだ。党員・サポーターの資格から「在日外国人」を外すことも早急に実施すべきだろう。
仙谷官房長官もそういう規約になっていることを知らなかったらしいが、これまた、笑えぬ話である。党員・サポーターは34万人。このうち党員は4万人程度である。
自民党の100万人、公明党や共産党の40万人と比べ、いかにも少ない。
曲がりなりにも「党員」の投票によるのであれば、まだ分かる。しかし、何度も書くようだが、得体のしれない「サポーター」なる集団の比重のほうがはるかに大きいのだ。
党への忠誠度がどの程度のものか、まったく不透明な集団である。その集団の票が「菅大勝」を招いた最大の要因なのだ。
これはどう考えても、違和感が残る。菅首相が大勝ムードにはしゃいで「脱小沢」で突っ走るというのは、もう笑いだしたくなるぐらいだ。日本中を異様な錯誤が覆っている。そのことを真正面から見据えるべきである。
杜父魚文庫

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