6279 9・11の標的は誰がつくったのか 古森義久

新刊の書の紹介です。いまのアメリカにもおおいに関係があります。
『9・11の標的をつくった男』(講談社刊)、著者はロサンゼルスを拠点に活動するフリーのジャーナリスト、飯塚真紀子さんです。最近では珍しいくらい労力と意欲を投入しているノンフィクションの大作です。
この書の表紙や帯には以下のような記述があります。「天才と差別――建築家ミノル・ヤマサキの生涯」「それはピラミッド以来最大の建築といわれた」「反逆の人、嫉妬の人、非道の人、pレーボーイ、感激屋」「差別されながらアメリカ建築界をのし上がった男の軌跡」「在米ジャーナリストが綿密な取材で明らかにした真実とは」
「1962年9月21日、ミノルがWTCの建築家に選ばれたニュースは世界中を駆け巡った。『タイム』は似顔絵を表紙にしたミノルの特集を組んだ。日系人男性が同誌の表紙を飾ったのは、ミノルが初めてのことである。世界中のメディアがインタビューに押し寄せ、ミノルはアメリカのみならず、一気に”世界を代表する建築家”に祭り上げられてしまったのである」
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ここまで紹介すれば、この書の内容が日系米人の著名な建築家ミノル・ヤマサキ氏の生涯を追った伝記であることがわかるでしょう。
ヤマサキ氏はニューヨークの世界貿易センターを設計した建築家なのです。本書は彼の一生をきわめてキメ細かに紹介しています。その世界貿易センタービルが9・11テロで破壊されたことは周知の事実です。
ヤマサキは西海岸のシアトル市出身、地元のワシントン大学を卒業しています。私も学生としてシアトルに住み、ワシントン大学に通ったことがあります。そのころ同大学や地元の柔道クラブで柔道のコーチをしたこともあり、その活動を通じて、日系アメリカ人の方々、多数の知己を得ました。
だからこの書の主人公がシアトルの日系社会で育っていく状況の描写も時代は異なるとはいえ、共感を覚えながら、読み始めました。
杜父魚文庫

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