6286 民主党代表選後の個人的な印象・雑考 阿比留瑠比

民主党代表選以降、各種世論調査で菅内閣の支持率が急上昇しています。この政権は、何の実績もあげていないどころか、基本的に無為無策そのものである上、しなくていいことばかりしてきました。。しかもその間、菅直人首相は己の底の浅さ、無内容さと日和見ぶりを、これでもかというほど見せつけ、岡崎トミ子氏のような問題人物を入閣させもしたにもかかわらず、です。
ここから、どんな教訓を読み取ることができるでしょうか。
一つは、大方の人は、そもそも政府の施策に特に期待していないので、「何もしない」という姿勢は別に批判の対象にはならない、ということでしょうか。逆に、ときの政府が独自の、新しい施策を実行しようとすれば、メディアに揚げ足を取られたり、批判されたりして、かえって政府の印象を悪くするかもしれません。
また、もう一つは、とにかく小沢一郎前幹事長という「悪役」と対決姿勢をとれば、支持率も上がり、菅氏の地位も安泰になるということでしょう。小沢氏に対しては、一部熱心な信者・ファンがいるものの、国民の大多数は嫌悪感ないし忌避感を持っていることがはっきりしてきました。だから菅氏としては、できるだけ小沢氏を離党させずに党内にとどめ置き、何か国民の失望を買うような困った事態が生じたら、とりあえず小沢氏をたたいて見せたらいいのです。皮肉なことに、小沢氏が党を去ってしまえば、このカードは使えませんが。
小沢氏は今回、「勝てる戦いしかしない小沢さんが、初めて勝算のない勝負に打って出た」(小沢氏の盟友を名乗る議員)わけですが、その乾坤一擲の勝負に負けました。それだけ追い詰められていたのでしょうが、年齢的なこともあり、判断能力その他に相当ガタがきているなという印象も受けました。ここまで露骨に国民に「ノー」を突きつけられると、野党側もその小沢氏と手を組もうという政党・議員は少ないことだろうと思います。
小沢氏は「まだ死んでいない」(側近議員)のはその通りでしょうが、かなり政治的な死に近づいたかな、と思います。小沢氏はかつて、師匠の金丸信元副総理や竹下登元首相のことを、「後継者を育てなかった」と批判していましたが、金丸氏や竹下氏よりずっと自分の身を脅かす後継者が育つのを怖れ、遠ざけてきたのが小沢氏でした。周囲に人材がいないことが、小沢氏の耳にに正しい情報や新しい知識が入ることを妨げ、こういう結果につながった気もします。
何より、よりによって菅氏なんかに負けたのは痛かったですね。かっこうわるい。
ともあれ、内閣支持率が6割を超えると、野党も国民の批判を怖れてその政権を攻撃しにくくなります。まあ、小沢氏の政治資金問題を追及する分には、遠慮はしないでしょうが。
代表選後、菅陣営の幹部の一人は「菅さんは本当に運がいい。菅さん自身が別にいい(候補である)わけじゃないのに」と率直に語っていました。今回の代表選は、「無能と無資格の戦い」(政治評論家の屋山太郎氏)といわれましたが、勝った「無能にして運のいい人」はこれから日本をどう導くのか。最高指揮官が運がいいことは、国民・国家にとってはもちろん望ましいことですが、その「幸運」が自分のためだけのものだったら…と少し背筋が寒くなる思いがします。
杜父魚文庫

コメント

  1. rokubeisan より:

    あまりほめる人がいないのですが、新内閣発足後、片山総務相、前原外相の内政外交の2本柱ができてぐっと内閣の安定感が増した気がします。中国、米国への対応、岡田さんでなくて良かったと感じてます。仙石、玄葉コンビも治まりよさそうです。後は経済なのですが・・・。人民元は変動相場制を採用せよと主張すれば野田さんも男を上げると思います。

  2. だぼはぜの子 より:

    野党ならともかく与党の民主党の選挙管理委員会なのに公的な機関でないことを仙谷一派は利用しつくした。菅直人は仙谷によって負けを勝ちに捻じ曲げたことを知ってどう思ったか。しかし小沢の抹殺はアメリカにとって絶対必要なことである。-小沢が300人もの団体で中国を訪問したことは記憶に新しい。日、米とも中国マーケットで激しく争っている。さらに小沢氏はー米軍は第7艦隊だけで十分ーと主張している。も一つ氏は普天間問題もアメリカと交渉する方向性を示唆した。検察とマスコミによって作り出された氏の金疑惑にまどわされた国民は氏の上記の主張を知ることもできなかった。小沢氏には同志10人で十分だが捻じ曲げられた選挙の中で200人が残った。小沢氏は死なない。氏の主張には実は政財界に賛同する者がかなり多い。-普通の国ーの中身で私は立場を別にするが独立国日本をまず実現するためにはー沖縄が日本から独立してしまってればーといったと伝わる裏切り者菅直人よりはるかに優れている。10人でも十分と思われる小沢氏のもとに200人の中から何人がほんとの同志として残ってゆくか今後が楽しみである。

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