6291 アメリカ有力議員が「尖閣諸島は日本に主権」と言明 古森義久

尖閣諸島付近での日中衝突が波紋を広げていますが、この問題の焦点は尖閣の領有権です。尖閣諸島はもちろん日本の固有の領土です。
中国は石油資源が近くにあるらしいとわかって初めて、あわてて尖閣の領有権を主張し始めたのです。このへんの経緯にはアメリカもからんでいます。アメリカが沖縄とワンセットで尖閣をも占拠していたことがあるからです。しかし1972年の沖縄返還ではアメリカは尖閣諸島の施政権をも日本にともに返しました。
そうした歴史的経緯のせいか、アメリカ側では「尖閣は日本領土」という認識が広範です。その一例として上院民主党の有力議員が議会の公聴会で尖閣の主権は日本にありと堂々と証言した事実を紹介します。私自身がその証言を聞いて、記事にしました。その再現です。
【ワシントン=古森義久】オバマ米政権に近い有力上院議員のジム・ウェブ元海軍長官が15日、アジアの領土紛争に関する公聴会で、尖閣諸島について米国が日本の主権をすでに認めていると発言した。
近年の米国政府はそこまでの明言は避けてきた感があるが、公聴会では米国が戦後、沖縄とともに尖閣諸島を日本に返還した経緯から、米国の日本主権承認という見解が出ても自然だという意見が専門家から述べられた。民主党のウェブ議員はオバマ大統領に近く、オバマ政権にとって上院での有力な政策推進役となっている。
上院外交委員会の東アジア太平洋問題小委員会は同日、アジアの海洋領土紛争などに関する公聴会を開いた。議長役を務めた同小委員会委員長のウェブ議員は冒頭の声明で、南シナ海や東シナ海での中国の主権主張を批判的に取り上げ、「第二次大戦後の日本による尖閣諸島の支配や、米国とその他の諸国による尖閣諸島の日本の主権承認にもかかわらず、中国は尖閣諸島の領有権を主張している」と述べた。
米国政府は他国の領土紛争には基本的に中立の立場をとっており、近年の歴代政権は尖閣諸島への日米安保条約の適用を認めながらも、その帰属主権について明言することは避けてきたという印象が強い。
東南アジアの中国の動きに詳しい、証人のスティムソン・センター研究員のリチャード・クローニン氏は「国務省は領土紛争一般への不介入という基本から尖閣諸島についても明言を避けてきたのだろうが、尖閣諸島は米国政府が沖縄とともに日本に返還した経緯があり、特別といえるだろう」と述べ、ウェブ議員の見解を支持する形となった。
中国の海洋政策に詳しい米海軍大学のピーター・ダットン教授も証人として、「領有権の基盤はその地域の実効統治と独占支配だが、尖閣諸島に関しては中国側はその2つの条件を満たしていないため、主権の主張は弱くなる」と述べて、中国の尖閣諸島の主権保持の主張は根拠が希薄であることを強調した。
杜父魚文庫

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