6359 踏んだり蹴ったり クライン孝子

露大統領「北方領土訪問」 日露関係最悪レベルの公算
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/100929/erp1009291554010-n1.htm
米、日本にイラン油田からの撤退要請
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100929-OYT1T00675.htm?from=main2
<<先の大戦におけるドイツのロシアに対する怨念は、日本と同様かそれ以上に大きいものがある。大戦中にドイツが失った領土問題もいまだくすぶり、完全に解決したわけではない。
だがドイツは、未来志向で現実路線に徹することで、確実にその成果を手にしているのだ。
片や日本はどうか。日本でもサハリン沖の天然ガス田を共同開発し、日ロ間を結ぶパイプラインを建設する計画が検討されてはいた。だが、もろもろの事情から計画は白紙撤回され、サハリンの天然ガスは全量が中国に回されてしまった。かくしてエネルギー獲得競争において、日本はここでもまた、大きく立ち遅れてしまった。
その原因は何か。一つには、北方領土をめぐる日本の頑な態度に、ロシアが業を煮やしたことは疑いの余地がない。戦後六〇余年、日本はこの問題では一歩も引かぬ態度で交渉にのぞみ、その間両国は、得るものが何もなかった。いうなれば、不毛の議論のまま、いたずらに時を過ごしてきたのだ。
では、欧州では、この交渉をどのように見ているであろうか。「戦争で負けて失った領土を取り戻したいと思うなら、もう一度戦争して勝つことだ」
この一言で、終わりである。それが長い間戦争を繰り返してきた欧州人にとっての歴史の常識であり、戦争に負けていながら、過去の条約や取り決めを持ちだして領土の返還を要求するなど、ナンセンス以外の何物でもない。これこそ「敗戦」というものの非情な現実なのである。
忍従するところは忍従し、戦勝国の言い分を聞き流すところは聞き流し、最終的には、再軍備を成し遂げ、自主憲法を持ち、米国からの服属を脱して独自外交を展開するドイツ!
片や、戦勝国の言い分をそのまま真に受け、従属の優等生となることで国家の芯を抜かれてしまった日本。現在の日本のおかれた状況は、まさに末期的と言ってよい。
杜父魚文庫

コメント

  1. 南 隆一 より:

    クライン孝子さんの文章(考え方)に共鳴する一人です。今回の文も大変興味深く読みました。
    ただ一点、「疑問???」が生じましたのでお伺いします。
    戦争に負けて奪われた領土なら御説の通りでしょうが、日本はソ連と戦争したと言えるのでしょうか?。宣戦布告され(し)応戦し(され)たのであれば戦争したのでしょうが、日ソの場合、当て嵌まりますかどうか。
    不可侵条約を一方的に破棄されて攻撃を受け、蹂躙されただけの日本はソ連と戦争してはいないと考えますが、如何ですか。

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