中国はあくまで自国領だと主張する尖閣諸島に対し、こんごどんな行動をとってくるでしょうか。そのヒントがアメリカの中国軍事専門家ロイ・カンファウセン氏の議会での証言に含まれています。
アメリカ議会の「米中経済安保調査委員会」の公聴会での証言です。私の著書『アメリカでさえ恐れる中国の脅威!』からの引用の続きです。
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前述のカンファウセン氏は中国の東アジアでの主権拡大のための軍事活動について四種類の具体的なパターンをあげていた。要するにアジアでの自国の領有権の主張を効果的に進めるための軍事力の使用である。
このことは実際に軍事攻撃に走り、軍事衝突をするというのではなく、その 前段階での軍事力の政治利用なのだともいえよう。
その目的は領土紛争で優位に立つ、つまり主権の主張をより効果的にしていくことである。
①軍の存在の顕示
東アジアで海軍部隊の存在を誇示することで、通常は二、三隻の小艦隊で対象海域を航行する。その存在が相手国への心理的圧力となる。実例としては二〇〇七年十二月の中国軍艦の東京湾への初めての寄港があげられる。
②空からの偵察
中国軍の戦闘機などが相手国の領空に接近、あるいは侵入し、実力を示す。最近は日本領空への中国偵察機の侵入が急増した。台湾海峡の中間線を越える中国機の飛行も毎日、四、五回にまで増えた。
③潜水艦の巡航
近年、急速に増強された中国海軍の潜水艦群が公海や紛争海域の航海を増やしている。搭載の巡航ミサイルや弾道ミサイルの性能の向上が領有権紛争の相手側に威圧を与える。二〇〇四年十一月には中国の「漢」級潜水艦が日本領海に侵入した。二〇〇六年十月には「宋」級潜水艦が米空母キティホークの至近海域に突如、 浮上した。
④水上艦艇
中国は紛争水域での海軍水上艦の航行を増加させている。東シナ海での日中競合の海域でとくにその航行が目立つ。二〇〇五年九月には中国は自国が開発する「春暁ガス田」海域にソブレメンヌイ級誘導ミサイル搭載駆逐艦など五隻を出動させ、日本側へのメッセージを送った。
中国はまさに多種多様な方法でアジアの海を舞台に日本に対しても領有権紛争、主権紛争を挑んでいるのである。
杜父魚文庫
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