極秘訪中と騒がれた民主党の細野豪志前幹事長代理が帰国したが、「自分の判断で、個人的な人間関係で行った」と述べただけで、真相は藪の中。政府側も仙谷官房長官が「(細野訪中は)間接的に聞いていた。止めも認めもしなかった」とガードが固い。
個人的な資格で訪中したにしては、中国側は空港から外務省差し回しの車で送り迎えして、「釣魚台(ちょうぎょたい)国賓館」に案内するなど要人並の扱い。無役の細野氏だから破格の扱いといえる。観光に行ったわけではないから、宿泊した中国の迎賓館「釣魚台国賓館」で中国側の要人と会った筈だが、「個人の資格で行ったのだから何も言えない」と細野氏は口を閉ざしている。
菅首相は「細野氏が北京に行ったことも知らなかった」、前原外相は「細野訪中は数日前に聞いていた」・・・??。これでは二元外交と言われても仕方ない。あるいは二元外交と言われるのを怖れて、菅首相、仙谷官房長官、前原外相が口を閉ざしているのかしれない。
あとは揣摩憶測、勝手に想像を逞しくするしかない。推理小説の世界のようなものである。
帰国した細野氏は官邸か外務省に行って、仙谷官房長官や前原外相に報告するのだろうか。個人的な人間関係で行ったのだから、報告の義務はないとも言える。もっとも電話で報告する手がある。政治家がよく使う手である。
裏には小沢前幹事長の影がちらつく。小沢氏も細野氏も無役だからマスコミもウオッチしていなかった。中国には小沢氏は太いパイプがある。国際電話で中国側の要人と小沢氏が相談したことがなかったか。細野氏個人では、中国側もかくも手厚い扱いはしなかったと考えるのが常識だろう。
裏に小沢氏の影がちらつくとなれば、菅首相も仙谷官房長官、前原外相もオイソレと乗るのは躊躇せざるを得ない。中国にパイプがない菅首相たちだから、北京情報は喉から手が出るほど欲しい筈だが、うっかり乗ると小沢氏の功名になりかねない。かくて細野訪中の真相は藪の中。推理小説の世界となる。噂だけは、菅首相の密命で訪中したと流れているのだが・・・。
杜父魚文庫
6369 細野極秘訪中は推理小説の世界 古沢襄

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