在米の華字紙が第二次日清戦争と一斉に騒ぎ立てた来月の尖閣諸島近くでの大規模日米合同軍事演習だが、お隣の韓国でも中央日報が大きく取り上げている。韓国はすでに日本海と黄海で米韓軍事演習を実施している。
そして「沈静局面に入った日中葛藤が再点火する兆しだ」と分析した。だが中国側は在米の華字紙を除けば、まだ反応を示していない。これ以上、日中緊張関係が高まれば、米国と日本の軍事提携を促す逆効果になるという外交判断があるのかもしれない。
中国にとって望ましいのは、鳩山政権下で生じた日米関係の不協和音が広がることであろう。日本が米国から距離をとり、中国にすり寄ってくればアジア戦略として好都合といえる。
その意味からすれば、尖閣諸島をめぐる日中対立は、日米軍事同盟を緊密化する逆効果となった。といって振り上げた拳を下ろせば、胡錦濤・温家宝政権に対する国内の批判を浴びる。中国内では江沢民一派の反日勢力が依然として隠然たる力を保持している。
この局面で難しい立場にあるのは、日本の菅政権よりも中国の胡錦濤・温家宝政権なのではないか。口では対日非難を繰り返し、尖閣諸島では事を荒立てないハンドリングをする可能性がある。
<沈静局面に入った日中葛藤が再点火する兆しだ。中国が尖閣列島(中国名:釣魚島)を自国の核心国家利益と分類する動きを見せると日本は尖閣諸島近くでの大規模日米合同軍事訓練という手で対立している。日本政府関係者たちの中国非難の発言も続いている。
◆「台湾・チベットとまったく同じ核心利益」=香港のサウスチャイナモーニングポスト(SCMP)は「中国政府がまだ釣魚島を公開的に核心利益だと宣言していないが、内部的には既存の国家利益から核心利益に格上げさせた」と3日、報道した。
核心利益は外交的に絶対妥協しないで退かないという意志を表明した国益をいう。中国は台湾とチベット、新疆ウィグル、南シナ海を核心利益対象にしている。中国が東シナ海で戦略的に非常に重要な尖閣諸島を核心利益に格上げしたことはアジア周辺海域で中国の軍事的影響力を拡大しようとする意図と触れ合っているとSCMPは分析した。
人民日報インターネット版図この日「国際法の見方で見た釣魚島紛争の発端」という記事で中国領有権の正当性を主張した。新聞は「釣魚島は明・清朝以来500余年間、漁業基地はもちろん航海と風浪シェルターとして活用されてきた中国の領土だ」と強調した。
◆日米合同「尖閣奪還作戦」=日本の産経新聞は3日「日本政府が米空母ジョージ・ワシントン号が参加する大規模合同海上軍事訓練を来月、尖閣列島周辺で実施することにした」と報道した。報道によれば合同訓練の核心は敵に占領された「尖閣奪還作戦」だ。中国が尖閣諸島を不法占拠する可能性を念頭に置いて実施される訓練で、ジョージ・ワシントン号を中心にした航空打撃部隊とイージス艦、無人偵察機、レーダーに捕捉されない最新鋭ステルス戦闘機F-22機が動員される予定だ。新聞は「確固な日米同盟を国際社会に知らせ、東シナ海で活動を拡大している中国軍を牽制するため」と分析した。
◆日本、モンゴルとレアアース開発協力=中国のレアアース(希土類)輸出中断に中国に屈服した日本政府は、レアアース確保のために奔走している。菅直人首相は2日、訪日中のバトボルド・モンゴル首相とモンゴル内レアアース鉱山開発に協力することで合意した。日本政府がレアアース確保と輸入先多角化のための政策を発表した翌日だ。
今回の事態で「屈辱外交」という非難を浴びている日本政府内では中国に対する非難発言が絶えない。枝野幸男民主党幹事長代理は2日「中国に関する限り、法治主義が通じないという前提下に相対しなければならない」と中国を責めた。また「中国を米国や韓国のような信頼関係の国だと思って仕事を推進することができると期待するのがおかしなこと」とし「(日中間戦略的互恵関係も)外交的な美辞麗句は良いが、本当に日本のパートナーになることができるか疑問」と言った。
仙谷由人官房長官もこの日「日中関係を急いで修復しなければならない」とし「菅首相が出席するアジア・ヨーロッパ首脳会議(ASEM)などで中国に大国としての責任を果たさなければならないという事実を伝達する予定」と明らかにした。しかし前原誠司外相は3日「中国と日本は良い隣国であり、戦略的相互互恵関係を構築することで共存の道を歩まなければならない」と述べた。 (中央日報)>
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