6422 「ザ ラストメッセージ 海猿」を見て 丸山公紀

3日、家族と一緒にTOHOシネマズで「ザ ラストメッセージ 海猿」を見た。伊藤英明扮する海上保安庁の潜水士の仙崎大輔が主人公で、これまで数々の海難現場の中で、大変危険な人命救助作業を通じて、何故、海保にとって守るものは一体何かを鋭く訴えてきた作品であり、封切されてからまだ日が浅いこともあり、チケットを購入するまでに長蛇の列を並ぶこととなった。
それでも3Dの上映には何とか席をとることができてほっとした。画面一杯に広がる対馬沖の海難事故の様子は画面から本当に飛び出るようで迫力満点であった。
内容は博多港沖に建っている日本と韓国、ロシアの共同の天然ガスプロジェクトプラントである「レガリア」に海底のガス田と結びついたタンカーの塔が倒壊し、、さらに台風が接近する中で、プラントの乗務員を救助するのが仙崎をはじめとする海上保安庁第10管区の仕事であったが、結局、潜水士はじめ5人が取り残されることとなる。
ところが台風接近のため保安庁の救助船は一旦、その場所が離れた際に、プラント内の天然ガスに火が出、大火事となり、プラントを沈没させることによって隣のタンカーに移動するという、一歩間違えれば残された全員が命を落とす場面に遭遇し、プラント沈没のために底のパルプを開口し、脱出する際に骨折した仙崎はもう一人の潜水士に残された3人を救助せよと命じる・・・という、見る者をして手に汗に握る場面が続く。
その間、1500億という巨大プロジェクトを守ることを人命救助より優先させようとする政府高官と全員の人命救助はお金などには返られないとする海上保安庁幹部の行き詰まるやりとり、また加藤あい扮する仙崎の妻が夫とのつながりを豊かな演技で確認しつつ、苦しみやつらさなど残された家族の気持ちをよく表現しており、何回も目頭を押さえた。
しかし、最後はお互い潜水士はじめとする海上保安庁のメンバーは心がしっかりとつながり、潜水士全員が沈没したプラントから仙崎を救い出す感動的なラストシーンに結びついていく。
小生には映画ではあるがこんな海上保安庁のメンバーの活躍を見ると先日の尖閣諸島沖の中国漁船衝突の中で、停船させ、船長はじめ船員を拘束させた苦労は大変なものであったことが容易に想像できる思いだった。
中国漁船衝突事件では、船長釈放だけが話題となっているが、その前に漁船を停船させ船長、船員を拘束した保安庁職員の職務遂行の大変さこそ、もっと話題にしなければならないことを痛感した。
杜父魚文庫

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