さて本日は永田町で、いま話題の人気者、仙谷由人官房長官の国会などでの立ち居振る舞い、独特の答弁に関する発言が相次いだので、少し紹介してみようと思います。このブログにもよく、「自民党は一体何をやっているのだ!」というご意見が寄せられるので、その辺を少し厚めにお伝えしようと思います。
しかし、仙谷氏って、こんなに周囲の反感や怒りを買って何かいいことあるんでしょうか。不思議なくらいです。まあ、結論は最後に述べるとして、とりあえず、政治家の言葉を掲載します。キーワードはゴチックにしてみました。
自民党・石原伸晃幹事長「過去に自身が報道などの正否について質問したことを棚に上げて、(同様の質問をした野党議員の)質問に対して侮辱的な発言をする。官房長官記者会見の一問一答は公になっているはずだが、それも存在しないと言ってみたり、少し乱暴なんじゃないか。内閣のスポークスマンとして過去と今言っていることが違うのは問題だ。紙で読めば誰でもそうだと思うことを『違う』と強弁する。国会論戦を軽んじることになるので非常に問題だ」
自民党・小坂憲次参院幹事長「特に官房長官の答弁は国会軽視、あるいは委員会軽視と思える発言が多い。参考人は委員会の議決で招致しているわけだが、それに対し、官房長官という立場で恫喝とも取れる発言をして、参考人の発言にブレーキをかけてみたり。前言、自分が過去、何をやってきたのかは全くなしにして、テレビの前で言ってしまえばその方が勝ちだと言わんばかり。マスコミの報道を引いて質問するのは非常に拙劣なものだと言いつつ、議事録をさかのぼってみればたくさん、そういう(質問をしている)…」
自民党・脇雅史参院国対委員長「(仙谷氏は)新聞情報をネタに、情報が正しいのか正しくないのかと国会質疑をするのはありえない、見たことがないという。ちょっと調べてみれば、山ほどやっている。そういうウソを国会で言うことを問題にしている。古賀政府参考人に対する『お前の出世はないぞ』というようなことをあんな場(国会)で言うとは、信じられないほど悪質だ。その他、本会議での態度、答弁の仕方。極めて傲岸不遜、謙虚さのかけらもない。政府の大臣答弁があんなふうに行われるのは、私も見たことがないという思いがしている」
自民党・小池百合子総務会長「(仙谷氏の答弁に)元活動家という印象を受けた。法律家なので法律にこだわった今回の船長釈放の説明もあるが、法律の部分と政治判断の部分とあるが、都合のいいときには法律家の部分がでてくる。一言で言えば元活動家。これに尽きる」
みんなの党・渡辺喜美代表「仙谷官房長官の出しゃばり、居直り、はぐらかし答弁は大変ひどいものがある。古賀さんの私見に、聞かれもしないのに恫喝まがいの言辞を吐いたのは大変、聞いていてあきれ果てた。本当に聞くに堪えない答弁がたくさんある。しなやかにしたたかにというのであれば、柳のようにと言えばいいのに、なんで腰にこだわるのか。全く意味不明だ」
…これだけ不興を買えば、身内の民主党側もかばいきれませんし、今後の国会運営にも差し障りがあるので、民主党の前田武志参院予算委員長はきょう、仙谷氏に会って注意し、次の予算委冒頭で謝罪させることにしました。それについては、前田氏自身が記者団にこう語りました。
前田氏「次の委員会の冒頭で発言を求めて、謝罪させます。(注意したのかとの質問に)そうですよ。一つは、あのときの議事録を読んでもらえば分かるが、本来、尖閣問題について(みんなの党の)小野次郎先生から質疑したのに対し、(仙谷氏は)聞かれていない参考人のことについて言った。それから、参考人のことをかばうつもりで話したのかも分からんが、恫喝に聞こえた。不適切な発言があったということだ。その他、いくつもある。難点もある。(仙谷氏は陳謝したのかとの質問に)そうですよ。私は厳重注意をしましたから」
…ここからが仙谷氏の仙谷氏たるゆえんというか、彼の開き直りと不誠実さがよく分かるところです。前田氏は「オン」で語っているわけですから、当然この日夕の仙谷氏の定例記者会見でも話題になるわけですが、そのときの態度がこれです。
記者 前田参院委員長が、官房長官の委員会での不適切発言を注意したというが、どういう話をしたのか
仙谷氏 ああ、あの、今後の予算委の運びについてお話をしたということです
記者 官房長官の発言をめぐってはどうか
仙谷氏 まあ、あのー、その件については「らしい」という話でしたから、私の方から申し上げるのは差し控えたい。
記者 「らしい」ということではなく、参院側のブリーフだと、官房長官が陳謝されるということだった。前田委員長が厳重注意したと。事実関係はどうなのか。
仙谷氏 まあ、次の予算委のときに明らかになるんじゃないでしょうか。
記者 注意はあったのか。官房長官からは前田委員長に何を話したのか。
仙谷氏 まあ、ノーコメントです、それは。
…本当になめた答弁ですね。午前中の記者会見では、菅直人首相が昨夜、岡田克也幹事長ら党側幹部と会談して今国会に提出することを確認した中国船衝突事件のビデオ映像について、この期に及んでまだこんな抵抗を示しました。さすが陰の総理です。
「極論を言えば、内閣として提出するかどうかも含めて、検討調整中と考えていただければ結構だ」
…野党のみなさんには、速やかに参院で仙谷氏の問責決議案を提出し、可決することを望みます。おそらく仙谷氏自身は、頼りない菅首相に代わって自分が国家の屋台骨を背負って立っているのだというヒロイズムに酔っているのでしょう。でもそれは明々白々に勘違いですね。
最後に勝海舟が、「国家のためだから」と言っていつまでも身を退かない役人に「うるぼれるな」と投げかけた言葉を、仙谷氏に贈りたいと思います。
「それはいけない。みづから欺くにも程がある。昔にも、お家のためだから生きるとか死ぬるとか騒ぐ奴がよくあったが、それはみな自負心だ。うぬぼれだ。うぬぼれを除ければ、国家のために尽くすという正味のところは少しもないのだ。それゆえにもしそんな自負心が起こった時には、おれは必死になってこれを押へつけた」
杜父魚文庫
6493 開き直りふんぞり返る仙谷氏に贈る言葉 阿比留瑠比

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