かつて日本では「大学さえ出れば」それなりの職に就けて、概ね人生をまっとうできたが、今では正規の就職ができずに、フリーターや派遣社員として非正規雇用に甘んじるほかない人がゴマンといる。惨酷である。
米国でも就職難である。サンフランシスコ・クロニクル紙が報じるところによると、「4大出の駐車場係員は1万8000人、ウェイトレス&ウェイターは31万7000人。博士号取って清掃作業員になった人は5057人。
全部合わせるとアメリカでは今、大卒なのに「大学出る必要のない」(米労働省統計局)職種に就いてる人が1700万人もいる」。
米労働省統計局がまとめた統計を以下訳す。%はその職業における4大出の割合、人数は4大出の就業者数である。
接客 21.62% 48万2784人
配膳 13.40% 31万7759人
単純事務 16.64% 31万1440人
一般事務 16.64% 24万8131人
配送関係 5.07% 11万8441人
用務員 5.01% 10万7457人
運転手 5.09% 8万5205人
バーテン 16.00% 80542人
大工 7.27% 6万5412人
調理人 7.24% 6万3737人
娯楽関係 24.61% 6万3704人
造園 6.77% 6万2414人
建築作業員 5.82% 5万9409人
電話勧誘 15.85% 5万4713人
郵便局員 13.95% 4万9452人
電気工事 7.76% 4万9109人
宿泊関係 16.14% 3万7156人
客室乗務員29.80% 2万9645人
駐車場係 13.74% 1万8749人
職業に貴賎なしとは言うものの、比較的容易な仕事と高度な知識・技能を必要とする仕事はあるから、重みという違いはある。それが待遇の良し悪しにつながる。大学を出るという投資に見合う仕事に就くことは日本でもますます難しくなるのだろう。まあ、人は好き好きだからとやかく言うのはヤボだが・・・
杜父魚文庫
6585 米国版「大学は出たけれど」 平井修一

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