二日の米中間選挙を前にして米ウォール・ストリート・ジャーナルとNBCニュースは、オバマ大統領の人気低迷を反映して、下院で共和党が圧勝すると占った。共和党は下院を奪回し、上院でも議席数を増やすと見込まれる。とくに浮動有権者の多くは、オバマ大統領に対する幻滅を表明している。
民主党系の世論調査専門家は「民主党は荒波や津波、マグニチュード7.0クラスの地震の影響をもろに受けつつある」と述べた。
一方、共和党系の世論調査専門家は、「世論調査の数字をみると、共和党の勢いは1994年を上回る可能性がある」と共和党の圧勝を予測している。”イエス ウイ キャン”の合い言葉で、二年前の大統領選挙でオバマ大統領を圧勝に導いた民主党だったが、下院議員の多くは落選する公算が強まった。
<2日に実施される米中間選挙では共和党が圧勝しそうだ。ウォール・ストリート・ジャーナル/NBCニュースの調査によると、オバマ大統領と民主党が過半数を占める議会への不満を有権者が募らせるなか、共和党は下院を奪回し、上院でも議席数を増やすと見込まれる。
いずれの党の優勢を望むか、との問いに、共和党と回答した有権者は49%で、民主党の43%を6ポイント上回った。
共和党が議会を制することを望む、と答えた有権者のほぼ半数は、民主党への抗議の意味を込めた回答だ、と述べた。世論調査専門家によると、多くの有権者の根強いフラストレーションを反映し、共和党支持はいつになく高い割合となった。
オバマ大統領は10月31日、クリーブランドで民主党への投票を呼びかけて選挙遊説を締めくくった。しかし、今回の調査によると、大統領は浮動有権者の多くを幻滅させている。接戦の結果を左右するのは、こうした有権者だ。
投票に行くと思われる有権者の過半数(52%)が、オバマ大統領の業績を評価していない。無党派層に限定すれば、大統領の業績を評価しているとの回答は全体の3分の1にとどまる。
民主党の世論調査専門家、ピーター・ハート氏は「民主党は荒波や津波、マグニチュード7.0クラスの地震の影響をもろに受けつつある」と述べた。
一方、共和党の世論調査専門家、ビル・マッキンターフ氏は、「世論調査の数字をみると、共和党の勢いは1994年を上回る可能性がある」と語った。
94年の選挙で、共和党は下院の議席を54純増させた。今回の選挙では下院の過半数を獲得するのに39議席の純増が必要だ。
共和党優勢で選挙戦が進むなか、オバマ氏は30日にコネティカット州とフィラデルフィア、シカゴに立ち寄った。31日にはテッド・ストリックランド知事(民主党)が再選を目指すオハイオ州で遊説した。
共和党指導部は同党が下院を抑えると予想している。共和党は上院でも議席数を増やす見通しであるものの、政治的偏向のないニューズレター、クック・ポリティカル・リポートは31日、同党が上院を奪回する可能性は「存在しない」と結論付けている。
同誌の予想によると、共和党は上院(定数100議席)で6~8議席増やす見通し。この結果、上院での共和党の議席数は47~49になると見込まれる。
共和党は31日、土壇場になって懸念を表明した。アラスカ州上院選で、ほとんど無名のシトカ市長、スコット・マクアダムズ氏が、茶会党が支持する共和党のジョー・ミラー氏を破る可能性がでてきたのだ。
ジョン・コーニン上院議員(共和、テキサス州)は、共和党は今回の選挙で「大いに躍進」するであろうが、上院で過半数をめぐり競うのは12年になるだろう、との見方を示した。
ウォール・ストリート・ジャーナルのこの調査は、有権者を動機付ける主な要因が経済であることを示している。
調査によると、米国人の過半数が、自国経済の状態に「非常に不満」と回答している。さらに、このうち63%が、上下院選で共和党候補に投票する、としている。民主党を支持するとの答えは30%だった。
民主党員の47%は、大統領の執務に「かなり大きな変化」、あるいは「大きな変化」を求める、としており、民主党が直面する困難を浮き彫りにしている。(ウォール・ストリート・ジャーナル)
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6591 ウォール・ストリート・ジャーナルが共和党圧勝を予測 古沢襄

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