6610 菅首相の的外れな選挙の読み方 古森義久

菅首相はアメリカの中間選挙の結果についてまず「民主党は上院で過半数を保った」と述べたそうです。ほっとした感じのコメントです。
しかしこの読み方は最初の反応、最大の反応としては、的外れです。民主党は上院議員選でも大きく負けたからです。今回の中間選挙では上院議員の改選は100人のうち37人だけです。
前回は民主党が大きく勝っていますから、現在の全体の議席は59対41、18もの大差がありました。ところが今回は改選37議席のうち民主党はいま確定しただけでも19議席から7議席も失ったのです。それでも非改選の議席と合わせれば、かろうじて過半数は保てるというだけです。
一方、共和党は今回の上院選では確定した分だけでも5議席を増やしました。比率にすれば大躍進です。
だから「民主党が上院で過半数を保った」という部分は今回の中間選挙の特徴としてはかなりの的外れ、民主党をかばう願望のコメントだともいえましょう。
【2010米中間選挙】接戦の7州
■ペンシルベニア/共和、終盤巻き返す イリノイ/オバマ氏地元は落とす
【ワシントン=古森義久】中間選挙の上院選では37の改選議席のうち7州で激戦が展開された。
東部のペンシルベニア州では民主党のセスタック候補が開票当初、ややリードしていたが、やがて共和党のツーミィ候補が追いつき、終盤で僅差(きんさ)ながら追い越して当選を決めた。同州では古参のスペクター上院議員が昨年、共和党から民主党に転身して全米的な関心を集めた。だが民主党の予備選では下院か ら転じたセスタック氏がスペクター氏に挑戦して勝利し、本選では保守派のツーミィ氏との対決となった。この戦いでは中国との経済関係をどうするかが議論を 呼び、この点でも全米の関心を集めていた。
共和党はこのほかオバマ大統領の地元の中西部イリノイ州でカーク候補が勝利を飾った。
民主党は東部ウェストバージニア州でマンチン候補が勝ったほか、西部ネバダ州、同カリフォルニア州でも議席を維持した。
西部コロラド州では民主党ベネット、共和党バック両候補が接戦となり、開票作業がほぼ終了した米東部時間3日未明の段階でも、勝敗が決まらず、不在投票も含めた再集計が行われる。(その後、コロラド州では民主党候補の勝利が伝えられた)
北西部のワシントン州でも民主党マーリー、共和党ロッシ両候補が接戦を展開している。
これらの激戦区では茶会の支持も得た保守的な共和党候補が、知名度の高い民主党のリベラル派候補に挑戦するというパターンが多い。
杜父魚文庫

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