6665 撮影規制の「仙谷発言」は報道の自由への見逃せない挑戦だ 花岡信昭

このところ、言動がとげとげしいことで評判の仙谷官房長官だが、この発言は完璧にいただけない。極秘資料を委員会室で開いたのを、望遠カメラでキャッチされたことにハラを立てて、ついにここまできてしまった。
国会内での撮影は望遠を使ってはいけないという規則をつくろうというわけだが、言論の自由へのとんでもない弾圧発言としかいいようがない。もっと頭を冷やせ、といわなくてはならない。弁護士ならば、この発言がいかに常軌を逸したものか、分からないはずはない。
権力の座にあるものは権力の行使にもっと抑制的でなければいけない。
日本新聞協会は仙谷氏に対して、ただちに厳重抗議し、対抗措置を取るべきだ。そうでないと、報道の自由など吹っ飛んでしまう。
仙谷氏という政治家はもうちょっと人間的でどろくさい人物かと思っていたが、ここまでひどいとは驚いた。重ねて言うが、これは官房長官辞任にまで至ってもおかしくない重大発言である。就任以来、最大の問題発言だ。
ここでメディア側がこの一件を見逃してしまったら、この種の恣意的裁量がまかり通ってしまう。報道の自由に対して、政権中枢からこういう挑戦的発言が出るとは、民主主義国家ではあり得ないことだ。
盗撮発言に謝罪なし 権限外の規制に言及
仙谷由人官房長官が国会内の写真取材の規制強化に言及した。12日の衆院内閣委員会で「国会内の撮影許可の趣旨は、カメラが今のように非常に細かいものまで撮影できる時代の許可ではなかった。時代とともに撮影のあり方も考え直す必要がある」と答弁した。
政府首脳が国会審議の公開内容に口をはさむという三権分立を無視した発言の前段階として、写真取材を「盗撮」呼ばわりしていた。
傍聴席から通常の撮影
9日午前の衆院予算委で自身が閣僚席で広げていた資料の写真を読売新聞写真記者が2階傍聴席から撮影し、読売新聞夕刊に掲載。同様の写真は産経新聞も撮影していた。
掲載されたのは「政府として映像を一般公開した場合の検討(尖閣ビデオ関連)」と題された資料。「厳秘」とされ、尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖の中国漁船衝突事件のビデオ映像を公開する場合の手続きやメリット、デメリットなどが、国会に提出済みの映像やネット上に投稿された映像などについて比較検討されている。
この日の衆院予算委員会でみんなの党の柿沢未途氏が記事について問いただすと、仙谷氏は「あの辺から、望遠レンズ、拡大レンズで盗撮されたようだ」と、カメラマン席を指さして答弁。
写真部長会が抗議
産経新聞など在京8社写真部長会は10日、「通常取材の範囲内で撮影している」として「盗撮」発言の撤回と謝罪を求めていた。
仙谷氏は12日の答弁で、「盗撮」と表現したことを「釈然としないが、撤回する」と述べたが、謝罪はあくまで拒否。
午後の記者会見でも「望遠、拡大レンズはサッカー場、野球場の話だろうと思う。狭い室内で望遠レンズを使うのは(手元資料を)コピーするのと同じだ。国会の内規として(見直しを)検討してほしい」と述べた。
<<ついに30%割れ>>
菅内閣の支持率がついに30%を割り込んだ。時事通信の調査。なんと27・8%だ。
先週あたりまでの支持率調査では、産経・FNN36・4%(不支持46・5%)、共同通信32・7%(不支持48・6%)、読売35%(不支持55%)、NHK31%(不支持51%)などとなっていて、30%割れは目前とみられていた。
支持率が20%台になると、政権に黄信号がともる。20%割れ寸前ぐらいにまでいくと、いよいよ赤信号ということになる。
連続した「外交失態」が支持率急落の最大の要因だろう。仙谷官房長官が息まけば息まくほど支持率が下がるという現象が起きている。
以下、時事ドットコムから。
<時事通信社が5~8日に実施した11月の世論調査によると、菅内閣の支持率は前月比11.4ポイント減の27.8%に急落、6月の菅内閣発足後最低となった。不支持率は同12.6ポイント増の51.8%だった。政党支持率も、民主党16.2%、自民党16.5%となり、2009年9月の政権交代後、民主党は初めて自民党に逆転された。
内閣や民主党の支持率下落の背景には、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件や、メドベージェフ・ロシア大統領の北方領土訪問をめぐる政府の対応への不満があるとみられる。小es沢es一es郎民主党元代表の国会招致問題で菅es直es人首相らが指導力を発揮していないことも影響したようだ。
調査は、全国の成年男女2000人を対象に個別面接方式で行った。回収率は65.3%。
内閣を支持する理由は、「他に適当な人がいない」12.2%、「首相を信頼する」6.2%、「だれでも同じ」5.1%などの順。不支持の理由では、「期待が持てない」30.1%が最も多く、「リーダーシップがない」28.7%、「政策が駄目」19.3%が続いた。 
望ましい政権の枠組みは、「政界再編を経た後の既存の枠組みによらない政権」が20.8%でトップ。次いで「民主党中心の連立政権」17.2%、「自民党中心の連立政権」16.2%、「民主、自民の大連立政権」10.1%となった。
政党支持率は、民主党が前月比3.8ポイント減、自民党が同1.8ポイント増。公明党が同0.2ポイント減の3.1%、みんなの党が同0.6ポイント増の2.6%で、共産党1.0%、社民党0.6%。「支持政党なし」は57.4%だった。(2010/11/12-15:18)>
杜父魚文庫

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