6728 問責決議案での揺さぶり、来年度予算「暫定」の声も 古沢襄

民主党は浮き足立っている。尖閣諸島の問題で中国人船長を釈放してから菅内閣に対する国民の評価が一変した。横浜APECでようやく胡錦濤国家主席との会談が実現した菅首相だが、伏し目で書かれた文字を読むだけ。堂々と中国と渡り合う気迫が感じられない。
日本のメデイアはまだ民主党政権に優しいが、外国メデイアはとっくに覚めた目で日本をみる様になった。英ロイター通信は「来年度予算案の年度内成立が危うくなり”暫定予算”の声さえ出始めた」と厳しい。
さらに「仙谷官房長官の問責決議案が提出され可決される事態になれば政権を揺るがしかねない。政府・与党も野党の動静に見極めがつかず、24日の採決を見送ったとみられるが、政局は緊迫感を増してきた」と政権の末期症状を詳しく報道している。
<[東京 22日 ロイター]  柳田稔法相が国会答弁軽視と受け止められる自身の発言で引責辞任に追い込まれた。政府・与党は法相辞任で幕引きをはかり2010年度補正予算案の採決に動くが、自民党など与党の一部は攻勢の手を緩めず、参院での採決を前に仙谷由人官房長官や馬淵澄夫国土交通相の問責決議案提出で揺さぶりをかけ続けている。
補正予算案は自然成立の道が残されているが、参院での問責決議案をめぐる今回の与野党攻防は国会情勢の厳しさを露呈。野党内からは2011年度予算案の年度内成立が危うくなり「暫定予算」の声さえ出始めた。
21日まで続投に意欲を示していた柳田法相は22日朝、一転して菅直人首相に辞表を提出した。経緯について菅首相は22日午後の参院予算委員会で「朝8時ごろ、私の部屋に本人を招き、本人から、自分の不用意な発言で予算審議に影響を及ぼすのは自分の思うところではない。予算審議に障害にならないため辞任したいとの申し出がありその場で辞表を書かれ、受理した」と説明。
辞意表明は柳田前法相の意志と強調したが、同時に「予算審議などに影響が出る傾向になったのでいろいろなことを関係者と話したことも事実だ」と述べており、補正予算案成立への影響を懸念し事実上辞任を求めたことを示唆している。
これを受けて政府・与党は24日の参院予算委員会での採決と本会議での採決を野党に打診し、問責決議案をめぐる国会空転に終止符を打つ構えをみせたが、自民党の反対で日程調整は難航。結局、24日の参院予算委員会と本会議開会は見送られ、補正予算案の採決は25日以降にずれ込む見通しとなった。
問題は与党への攻勢を強める自民党が、菅政権の要である仙谷由人官房長官の問責決議案を提出し、それに公明党を含む野党も同調するかどうか。公明党はもともと問責決議案には慎重だが、仙谷官房長官の問責決議案が提出され可決される事態になれば政権を揺るがしかねない。政府・与党も野党の動静に見極めがつかず、24日の採決を見送ったとみられるが、政局は緊迫感を増してきた。
補正予算案は臨時国会の会期延長で自然成立を図ることができるが、当面の景気対策実現のための予算措置をクリアしたとしても、その先は不透明だ。今回の辞任劇と参院での問責決議案をめぐる攻防は、衆参で多数派が異なるねじれ国会の厳しさを露呈。来年度予算編成作業も緒につかないこの時期から、野党内からは「暫定予算」との声もあがっており、極めて異例な事態だ。  
21日のNHK討論では、みんなの党の江田憲司幹事長が「1日たりとも、民主党にこの国を任せておくわけにはいかない」と菅政権を痛烈に批判。
たちあがれ日本の園田博之幹事長も「仮に補正予算案がどんな形で通ったにせよ、民主党内にかかえる問題を解決しないと次に進まない。仮に臨時国会がなんとかなったとしても、(問題解決しなければ)通常国会は全く信用されない与党となる。補正がなんとかなればいいと考えているのであれば大きな間違いを起こす」と猛省を促した。(ロイター)
杜父魚文庫

コメント

  1. rokubeisan より:

    法務大臣を兼務したと知り絶句しました。事実上の指揮権を発動をしながら、何も知らないと嘘を言う官房長官と、大阪の不祥事に責任をとらず、「今後の日中関係を考えて・・」と那覇地検に言わせた検事総長が、結果として司法行政のトップになりました。もう「あかん」と思われます。海上保安庁の現場の保安官の志や士気を考えれば、政治家がケジメと責任をとらなくて、誰が責任をとるのでしょうか。解散の風はやまないと考えます。

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