黄海に入った米原子力空母「ジョージ・ワシントン」を中心にした米韓合同軍事演習は、初日の二十八日は通信訓練が主体だったので、北朝鮮軍は砲撃をまだ行っていない。二日目の二十九日から射撃訓練を実施するので、どのような出方を北朝鮮軍がするのか気がかりである。
韓国の朝鮮日報によると北朝鮮の金日成総合大学では全面戦争に発展するのではないかという緊張感が高まっていると伝えた。また西海五島の対岸陣地には海岸絶壁の洞窟の中にある海岸砲の周辺に地対地ミサイルや地対艦ミサイルを新たに北朝鮮軍が配置したという情報を韓国側が掌握しているという。
<米国の自由アジア放送(RFA)は26日、消息筋の話を引用し、「北方限界線(NLL)で大規模な交戦があったといううわさが、金日成(キム・イルソン)総合大学の学生らの間で広まっている。全面戦争に発展するのではないかとの緊張感が高まり、一時は大学全体で大騒ぎになった」と報じた。
この消息筋は、「金日成総合大に通う軍幹部の子や、黄海南道出身の学生らを通じて、(延坪島砲撃事件の)情報が伝わったようだ。また、後継者の金正恩(キム・ジョンウン)氏が、金正日(キム・ジョンイル)総書記の承認を得て、今回の事件を引き起こしたとのうわさも同大で流れている」と語ったという。
RFAはまた、北朝鮮で流れているうわさの中に、「北朝鮮軍は当初、1回目の砲撃だけを計画していたが、韓国の対応射撃に刺激された強硬派の軍官(将校)らが2回目の砲撃を実行した。砲撃戦に勝利したと判断した正恩氏が部隊に電話をかけ、大いにほめたたえた」というものもあった、と報じた。
だが、北朝鮮軍にも少なからぬ死傷者が出ているほか、韓国側の砲撃に驚いて、負傷した小隊長を見捨てて逃走した兵士3人が逮捕され、「同志裁判(同僚の手で処罰する)」に付されたとのうわさも流れているという。
一方、この日、咸鏡北道の住民と電話で話した脱北者は、「咸鏡北道の住民らは、北朝鮮軍にはほとんど被害が及んでいない、と認識している。延坪島が火の海になったという事実を知らない住民もいた」と語った。
対北朝鮮関係に詳しい消息筋は、「北朝鮮軍が今年初め、延坪島への砲撃だけでなく、ペンニョン島や延坪島へ上陸し、占領する作戦まで立て、中央に報告していた、といううわさも北朝鮮軍内部で流れている」と話した。
また、北朝鮮の内部事情に詳しい別の消息筋は、25日に本紙が行った電話取材に対し、「北朝鮮当局は、28日に西海(黄海)で予定されている韓米合同軍事演習に対し警戒している。韓米合同軍事演習が実施されれば、北朝鮮は全国に『準戦時態勢』への移行を発表する見通しだ」と語った。(朝鮮日報)>
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