6797 アジアで最大規模の日米統合軍事演習 古沢襄

<【ワシントン時事】米軍制服組トップのマレン統合参謀本部議長は1日、ワシントン市内で講演し、北朝鮮の砲撃事件後に実施した黄海での米韓合同演習は「抑止力と米韓同盟の強固さを示すものだった」と述べるとともに、将来も空母を黄海に派遣すると強調した。
マレン議長は「黄海の国際水域(公海)に、昨年もジョージ・ワシントンを派遣した。われわれは将来も(派遣を)続ける」と言明した。今回の合同演習について事前にその意図と期間を中国に伝えたと強調し、「黄海での演習は地域の不安定化にはつながらない。中国は理解していると思う」とも語った。
また、「中国は北朝鮮の危険な挑発を阻止するために影響力を行使すべきだ」と促した。(時事)>
同盟関係は軍事力に裏打ちされている。世界の常識なのだが、日米同盟というと軍事力よりも、もっと広範な関係、たとえば経済、文化、人的交流などにウエートを置いたものに力点を置きたがる。民主党政権になってから、その傾向が顕著である。
だから3日から始まる日米統合軍事演習は黄海で行われた米韓合同軍事演習の六倍の規模、アジアで最大の規模の軍事演習なのにメデイアの扱いは小さい。中国や北朝鮮を刺激したくない配慮からであろう。菅首相、仙谷官房長官、北沢防衛相もこの演習規模について語りたがらない。結果的に日本国民は明日から10日まで実施される日米統合軍事演習のことをよく知らない。
一昔前なら日本国内で反戦・反米の大規模な抗議デモが起こった筈である。
日米統合軍事演習に参加する兵員は日米で四万五千人、米軍は空母ジョージ・ワシントンはじめ艦艇20隻、航空機一五〇機が参加する。日本の自衛隊はイージス艦など艦艇40隻、航空機二五〇機が加わる。
沖縄周辺の海域、日本海や東支那海の島嶼防衛のために広範な海上・航空作戦が戦後最大規模で実施される。中国も北朝鮮も、まだ反応を示していないが、いずれ反発のコメントを出すであろう。あきらかに日米韓三国の結束を示した軍事演習だからである。
北朝鮮は矛先を日本に向けた恫喝の声明を出してくると予想される。在日中国人は六〇万、不法滞在者を含めれば二〇〇万の中国人が沖縄などで反戦・反米の抗議デモを組織するかもしれない。混乱を避けるために警察庁が対応策をとっているのだろうか。
それなのに菅首相は北方四島の視察を計画しているという。沖縄知事選後に沖縄を訪問すると言っていたが先送りすることになった。その埋め合わせで北方四島の視察なら問題である。
杜父魚文庫

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