北朝鮮による韓国・延坪島砲撃への対応を協議するため、ワシントンでクリントン米国務長官、前原誠司外相金星煥韓国外交通商相の三カ国外相会談が6日(日本時間7日)行われ、共同声明を発表することになった。その一方で韓国軍は今週にも西海五島で実弾演習を再開するという情報もある。北朝鮮軍が、これを理由に海岸砲を発射してくるかもしれない。
朝鮮半島情勢をめぐって韓国が強気な行動にでると、延坪島砲撃事件が再発する懸念がある。
延坪島砲撃で死傷者が出た韓国の国民世論が厳しくなっている。金大中・盧武鉉政権で開始された北朝鮮に対する経済支援を「全くすべきでない」と中断をもとめる強硬な意見が出ている。ソウルからの英ロイター通信によれば「北朝鮮が延坪島を砲撃した際、韓国政府はより大規模な応戦をすべきであった」と考えている国民が大半を占めている。
新たに任命された金寬鎮国防長官は、北朝鮮から追加した挑発があれば韓国は戦闘機による空爆で攻撃すると強硬な姿勢を示した。国防委員から「強い報復が全面戦争に拡大する恐れはないのか」と問われた金国防長官は「経済事情や内部政治の継承問題などで、北朝鮮が全面戦争に出ることは難しい。戦争には拡大しない。強い報復に出てもいい」と強気の答弁をしている。(東亜日報)
聯合ニュースは3日、黄海にある大延坪島など5つの島周辺で実施する実弾演習の準備が開始されたと伝えた。今週にも実弾演習が再開される可能性がある。韓国の金国防長官は「強い報復に出てもいい」と強気なのだが・・・。
<韓国人の3人に1人(31.9%)は北朝鮮に対する経済支援を「全くすべきでない」と答えた。また、10人に4人(43.8%)は「北朝鮮の挑発が続いているため反共を国家理念とすべき」と考えている。先月初め、それぞれ14.8%、22.7%だった対北朝鮮強硬対応に賛成する意見が、延坪島(ヨンピョンド)砲撃後、2倍に増えている。
高麗(コリョ)大アジア問題研究所(ARI、院長イ・ネヨン)・東アジア研究院(EAI・院長イ・スクジョン)・中央日報が10月22日-11月8日に実施した調査「韓国人のアイデンティティー」と、中央日報世論調査チームが12月2日に実施した世論調査を比較した結果だ。
5年前の調査ではそれぞれ7.9%、21.6%だった。過去5年間、特に延坪島砲撃後、北朝鮮に対する認識は急速に悪化している。(中央日報)>
<金寬鎮(キム・クァンジン)国防長官候補は3日、「北朝鮮の延坪(ヨンピョン)島砲撃は、交戦規則の問題でなく、自衛権の問題だ」とし、「合同参謀議長は、戦闘機の攻撃命令を下すべきだった」と明らかにした。
金氏は同日、国会国防委の人事聴聞会に出席し、「自衛権は、敵の挑発に対する対応を意味し、(自衛権は)脅威の根源が除去されるまで行使できる」として、このように話した。金氏は、聴聞会で、終始堂々とした姿勢で国防委員らの質問に所信を明らかにし、注目を引いた。
金氏は、「北朝鮮にはっきりと報復してこそ、これ以上挑発できない。(北朝鮮が再び挑発すれば)可能なあらゆる戦闘力を動員し、足りなければ合同支援の戦力まで投入して、追加的な攻撃ができる」と強調した。
国防委員らが、「強い報復が全面戦争に拡大する恐れはないのか」と問うと、金氏は、「経済事情や内部政治の継承問題などで、北朝鮮が全面戦争に出ることは難しいだろう。(戦争に拡大しても)韓米連合の情報網がすべての兆候を綿密に見ており、信頼できる防止手段を備えている。戦争には拡大しない。強い報復に出てもいい」と強調した。
特に、野党民主党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)議員が、「緊張が高い地域で平和を作る政策が、前政権の包容政策だった。04年に、西海(ソヘ・黄海)平和協力地帯の設置などに合意したが、どう考えるか」と問うと、金氏は、「私は国防長官として任務を全うする」とだけ答えた。また、「指揮官の間に、任務の遂行が困難だという声が多い」という与党ハンナラ党の金玉伊(キム・オクイ)議員の指摘については、「瑣末な文書作業のために仕事が多い。安易な軍隊像を打破する。事故は予防しつつ、ささいな事故にこだわる軍隊にはしない」と答えた。
金氏は、軍服務期間については、「24ヵ月が適当だが、現在、短縮が進んでいるため、現行通り21ヵ月を維持できるよう措置を取る」と述べた。(東亜日報)>
<[ソウル 3日 ロイター] 韓国政府は3日、北朝鮮が再び軍事攻撃を行うようなことがあった場合、爆撃で応戦するとの考えを表明した。
韓国の国防相に新たに就任した金寛鎮・元合同参謀本部議長は、「北朝鮮のさらなる挑発行為があれば、韓国は戦闘機で爆撃する」と強調。北朝鮮による11月23日の韓国・延坪島への砲撃は、朝鮮戦争以来に発生した最も深刻な危機であると述べた一方で、韓国の報復措置が戦争再開につながる可能性は低いとの見方を示した。
韓国で行われた世論調査では、「北朝鮮が延坪島を砲撃した際、韓国政府はより大規模な応戦をすべきであった」と考えている国民が大半に上った。今回の政府の対応をめぐっては遅すぎたとの批判があり、当時の国防相、金泰栄(キム・テヨン)氏が25日に引責辞任している。
米国のヒラリー・クリントン国務長官は2日、北朝鮮は韓国と日本を中心としたアジア地域にとって「差し迫った脅威」であると指摘した。北朝鮮問題を協議するため、ワシントンでは6日(日本時間7日)に日米韓外相会談が開かれる見通し。(ロイター)>
<ソウル(CNN) 北朝鮮軍による韓国・大延坪島(テヨンピョンド)への砲撃事件で緊張が高まる朝鮮半島情勢で、韓国の金寛鎮(キム・グァンジン)次期国防相は3日、北朝鮮が攻撃を再度仕掛けた場合、空爆で対抗するとの考えを示した。韓国の聯合ニュースが報じた。
国会の人事承認に関する聴聞会で述べた。韓国高官が砲撃事件後、報復の空爆などの強硬姿勢を公の席で打ち出したのは初めて。李明博(イ・ミョンバク)大統領は事件後の国民向け演説で、北朝鮮が新たな攻撃を仕掛けた場合は対価を支払わなければならないと警告していたが、具体的な軍事手段には踏み込んでいなかった。
ただ、金寛鎮氏の今回の発言は、砲撃事件への政府対応を批判する国内世論を意識したものとの見方もある。金泰栄(キム・テヨン)現国防相は砲撃後の応戦が遅れたことなどへの責任を問われ、辞意を表明している。砲撃では韓国軍兵士2人と民間人2人が死亡した。
聯合ニュースによると、聴聞会で金寛鎮氏は砲撃を受けた後の韓国軍の対応の遅さを批判、軍指導部は即時に空爆を命令するべきだったとも述べた。また、北朝鮮による韓国への攻撃画策を示唆する情報を軍が生かせなかったことの反省点も挙げた。
また、聯合ニュースは3日、黄海にある大延坪島など5つの島周辺で実施する実弾演習の準備が開始されたと伝えた。北朝鮮による新たな軍事的挑発行動への抑止効果を狙ったものだが、北朝鮮が反発を強めることも考えられる。北朝鮮は韓国が黄海の境界線付近で実施した軍事演習を批判、大延坪島への砲撃は北朝鮮領海に着弾したための報復だと主張していた。北朝鮮と韓国はこの境界線の設定海域で争っている。(CNN)>
杜父魚文庫
6819 経済支援中止と実弾演習の再開 古沢襄

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