6832 最大拠点・白翎島北東海域の北側水域に着弾  古沢襄

見出しを見ているだけでも朝鮮半島の危機的な状況が伝わってくる。大規模な日米統合軍事演習が展開されている中で韓国軍は全土の29カ所で六日午前八時から海上射撃訓練を開始した。8日、韓国国防省は黄海上の南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)の北朝鮮側海域で同日午前9時5分ごろ(日本時間同)、北朝鮮が発射した砲弾が着水したと発表した。
着弾したのはNLLの南側に位置する韓国・白翎島(ペクリョンド)の北東海域とみられる。白翎島は北緯三八度線スレスレに位置しているので、韓国海兵隊の第六旅団3000人が駐屯していて、島の山頂にはレーダー基地がある軍事拠点。
この発表を受けて韓国株と韓国ウォンが下落したが、着弾地点は北側区域と分かったので、その後持ち直したとソウル・ロイターは伝えた。中央日報によれば、韓国軍の消息筋は「北朝鮮軍がペクリョン島方向に砲射撃を加えた軌跡が、韓国軍の対砲兵レーダに探知されたことを把握しており、正確な着弾点は現在分析中」という。
<<北朝鮮の砲撃報道で韓国株とウォンが下落、その後持ち直す(ロイター)>>
<[ソウル 8日 ロイター] 韓国株と韓国ウォンは8日、北朝鮮が海上に向け砲撃したもようとの報道を受け、一時軟調となった。ただ、その後、北朝鮮の砲撃は軍事演習のもようと聯合ニュースが伝えたことから、株式と通貨は持ち直した。
韓国軍当局者は「砲撃について何も聞いていないが、韓国と北朝鮮はそれぞれ軍事演習を行っている」と述べた。別の軍当局者は「報道についての詳細を調査している。かなり離れたところから音がしたようだ」と語った。>
<<北朝鮮、ペクリョン島NLL北側区域に砲弾発射(中央日報)>>
<今日午前9時5分ごろ、ペクリョン島北東の海上に北朝鮮が発射したと推定される砲弾が落ちたと、YTNが報じた。しかしこの砲弾は北方限界線(NLL)北側区域に落ちたと、政府関係者は説明した。政府当局は今日午前、こうした内容を国会情報委に報告したという。
軍の消息筋は8日、「北朝鮮軍がペクリョン島方向に砲射撃を加えた軌跡が、韓国軍の対砲兵レーダに探知されたことを把握しており、正確な着弾点は現在分析中」と明らかにした。
北朝鮮軍の発射した砲弾は北方限界線(NLL)を越しておらず、北朝鮮側の海上に落ちていることから、通常の訓練の一環として把握されている。>
<<戦闘機・ミサイル自衛権 米国が韓国に同意(中央日報)>>
<北朝鮮が追加の挑発した場合、戦闘機・艦砲・ミサイルなどを利用して自衛権レベルの報復をするという韓国の立場に、国連司令部が原則的に同意したと、国防部が明らかにした。
チャン・グァンイル国防部政策室長は7日、「自衛権は各級指揮官が行使するものの、‘先に措置、後に報告’概念に従う」とし「敵から攻撃を受ければ自衛権を行使し、その範囲は攻撃の原点を打撃する時までで、停戦協定や交戦規則に拘束されない」と明らかにした。チャン室長は「延坪島砲撃後にこの問題を協議する過程で、韓米両国が共感(common understanding)している」と述べた。
青瓦台(チョンワデ、大統領府)の関係者も「韓国軍と国連軍司令部が最近、北朝鮮が追加で軍事挑発をした場合、自衛権レベルで戦闘機などで北の軍事施設を打撃できるという考えで一致した」と伝えた。
国防部の関係者は「韓国が主権的レベルで自衛権を行使できるという点を国連司令部が原則的に受け入れた。合同参謀本部が連合司令部および国連司令部と具体的な交戦規則の改定をしていくだろう」と明らかにした。韓国軍と国連司令部はその間、戦争の拡大を懸念し、北朝鮮の攻撃を受けた場合、同種同量の武器で対応するという原則を守ってきた。
国連司令部が韓国軍の「自衛権」を認めたことは、今後、北朝鮮が砲で追加攻撃をした場合、戦闘機と艦砲、ミサイルで北朝鮮の攻撃拠点を打撃できることを意味する。>
杜父魚文庫

コメント

タイトルとURLをコピーしました