6846 頂点に達しようとする民主党の党内抗争 古沢襄

民主党の党内抗争が頂点に達しようとしている。小沢一郎元代表の国会招致問題について岡田幹事長が13日の党役員会で衆院政治倫理審査会への招致議決を決める意向を示した。役員会には慎重論もくすぶっているが、岡田氏は多数決でも強行する方針。菅首相も10日、岡田氏を支持すると発言した。
小沢氏を支持するグループは猛反発、一年生議員が党代表の菅首相あてに小沢氏の国会招致に反対する要請文を岡田幹事長に手渡した。また輿石東参院議員会長は同日、国会内で高嶋良充元参院幹事長と会い「役員会は多数決での決定にならないよう努力する」と述べ、招致議決に反対する考えを表明した。
12日には注目の茨城県議選の投票が行われるが、民主党が劣勢に立たされている。小沢氏は県議選で惨敗すれば執行部の責任を追及する構え。ここにきて岡田幹事長や仙谷官房長官が小沢氏の国会招致問題を取り上げているのは、小沢氏の攻勢を封じる狙いがあるのだろう。
しかし党内には、このまま党内抗争が激化すれば、党を二分する争いになると懸念する声が出ている。横路衆院議長は岡田氏に対して「まず2011年度予算編成に力を注ぐべきだ。菅首相ともよく相談して慎重にやってもらわないといけない」と述べた。
野党は民主党の内紛を高見の見物。自民党の大島副総裁は「ああいうやり方で党がまとまるのか。致命的な亀裂が出てくるように進んでいる」と民主党の分裂を予測。みんなの党の渡辺代表は「子供の遊びじゃないんだからいい加減にしろといいたい。ままごとの政治ゲームをしていたら国民は政治に不信感を持つ一方だ」と冷笑する。
社民党の又市副党首も「小沢氏の国会招致を強制的にやるとなれば党を割るような話だ。景気が上向くのかという一番大事なときになぜ党を二分してガタガタするのか」と懸念する。党内が疑心暗鬼になっていて、小沢グループが民主党を離脱し、新党結成に動くという観測まで出ている。
杜父魚文庫

コメント

  1. noga より:

    ある島の小さな町の話であるが、町長選びで激しい選挙が行われ、選挙当日には混乱を防ぐために機動隊も出て、その後しこりが残り町が二分したのだそうである。
    そこには、投票率が95%を越えるという、選挙民の関心の高さがある。
    誰がどちらの候補者に投票したのか全てが分かっていて、その対立感情が嵩じて近所づきあい・日常生活にも支障が生じるのだという。
    国会議員が党首を選ぶ場合にも、これと似たようなものがある。
    できるだけ大勢の候補者を出して、選挙民に政策選択の幅を広げようというのではない。
    何んと、派閥の領袖の密室談合により選挙以前に候補者を一人に絞らなくてはならない。
    そうでなければ選挙になり、その後の離党・党内分裂による政権離脱を恐れなくてはならないからである。
    人気ある政策選びの期待よりも、感情的な対立の方が心配である。
    感情的な関心事以上のものが、選挙民にはないからであろう。政治の選択もスポーツの観戦と同じ次元で行われている。
    国民の政治哲学の無さが、我が国の政治の低さを示している。
    自己の理想を実現する意思があれば、公言・宣言できる。
    議会で議論もできる。議会制民主主義も可能になる。
    意思がなければ、恣意を頼りに、小言・片言・独り言をつぶやく。
    公衆の面前での討論会はなく、密室談合による恣意のすり合わせにより決着を図ろうとする。
    談合により以心伝心の効果を期待しているが、外国人には通じない。
    筋の通った意見というものは、ほとんど見られないので、議論はできない。
    和をもって貴しとなすが、議論をすれば喧嘩になる。だから、議会制民主主義は形骸化している。
    序列的習慣を墨守しなければ、国民は分裂する。理性判断はなく、序列判断がある。
    我が国は、戦前・戦後を通じて、親分の談合と天の声により運営される国家であることに変わりがない。
    http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
    http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812

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