茨城県議選は予想された通り民主党にとって厳しい結果となった。19選挙区で公認23人(現職5、新人18)、1選挙区で無所属新人1人を推薦したが、現職二人が落選し、6議席にとどまったのだから惨敗といっていい。
朝刊各紙の見出しは 「民主に厳しい審判、候補者4分の3が落選 茨城県議選」(朝日)「茨城県議選:民主惨敗、現有6議席どまり 菅政権に打撃」(毎日)「民主、現有6議席と振るわず…茨城県議選」(読売)「茨城県議選 逆風民主は現有6議席どまりの惨敗 自民も議席減」(産経)と”惨敗”を報じている。
”脱小沢”で低迷していた内閣支持率をV字回復させた菅内閣は、岡田幹事長が小沢氏の国会招致を掲げた”小沢斬り”まで匂わせて、選挙戦を戦ったが結果に結びつかなかった。13日の党役員会では岡田幹事長の責任を問う声が出ると予想され、小沢氏の国会招致を役員会で多数決強行すれば、党を二分する争いになるだろう。
岡田氏が結論を強行しようとすれば、逆に執行部批判が「火を噴く」ことは確実だ。(産経)
茨城県議選の前夜、小沢元代表と鳩山前総理、輿石参院議員会長の三者が会談し、岡田幹事長が13日の役員会で多数決で意見集約すれば、党分裂につながる事態になるという意見で一致している。茨城県議選は来年の地方統一選挙の前哨戦という位置付けだから、地方党員から党分裂につながるような事態は避けるべきだという意見が噴出しそうだ。
<民主党への逆風が顕著にあらわれた茨城県議選の結果を受け、小沢一郎元代表の国会招致問題が議論となる13日の党役員会は大荒れとなる可能性が強まった。
与野党は同県議選を来春の統一地方選の前哨戦と位置づけ、幹事長ら党幹部クラスを現地に投入し、国政選挙並みの態勢で臨んだ。民主党も岡田克也幹事長が2度、応援に入った。
ただ、民主党執行部は選挙戦中から苦戦を見越して「勝敗ラインという考え方は持っていない」(岡田氏)と予防線を張っていた。背景には、小沢氏の国会招致問題を引き金とした党内抗争が激化する中、県議選の結果を「執行部の責任問題につなげさせたくない」(岡田氏周辺)という思惑があった。
これに対し、小沢氏は7日、「茨城県議選で惨敗したら地方が火を噴く。党内的にも持たない」と言及。10日にも「(県議選の)結果が最大の関心事だ」と強調するなど、県議選の結果を執行部批判にリンクさせる考えを示していた。
それだけに今回の結果を受け、小沢氏に近い議員が執行部への圧力を強めるのは必至だ。
岡田氏は13日の党役員会で、衆院政治倫理審査会の議決によって小沢氏の自発的な出席を促すことを決めたい考えだ。しかし、役員会メンバーには、輿石東参院議員会長ら小沢氏に近い議員も含まれ、岡田氏が結論を強行しようとすれば、逆に執行部批判が「火を噴く」ことは確実だ。この際、茨城県議選の結果が格好の材料となる。(産経)>
杜父魚文庫
6858 民主惨敗の茨城県議選と党分裂の危機 古沢襄

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