6892 これが菅首相の実績だと、仙谷氏が宿題を解いてきました 阿比留瑠比

昨日の記者会見で、菅直人首相の指導力で実現した内閣の実績を問われて、咄嗟に具体例が思い浮かばず、「明日までに思い出す」と啖呵を切った仙谷由人官房長官はきょう、その実績とやらをいきなり30点以上、14分間にわたって挙げてきました。
東京新聞に「首相判断の例 即答できず 仙谷長官しどろもどろ」と書かれたのがよほど悔しかったのか、凄まじいリベンジぶりです。もっとも、仙谷氏が挙げた例の一つひとつを見ると、それが実績か、菅首相のリーダーシップなのかと疑問も湧きますが、まあそれはおいておいて。
とりあえず、参考までにそのまま掲載してみます(番号は便宜的に私がふったものです)。何を言いたいのかよく分からない部分もないではありませんが、まあ、みなさんで判断してください。以下、仙谷氏の独演会の模様です。
仙谷氏 昨日の宿題を私の方から申しあげる。総理のリーダーシップがどこで発揮されたのか、挙げてみろという宿題でした。私もどれを取り上げればいいのか、一覧的に申しあげた方がいいんではないかと思って、宿題にさせていただいたわけだ。まず、きょうの今日的に近い方から言いますと、先ほどの地域主権戦略会議でも上田知事や橋下知事そして、神野先生からも高くリーダーシップが評価をされた。
つまり、従来、遅々としてできなかった①出先機関の権限の事務権限の委譲についても従来とはまったく様相を異にして、アクションプランで進みそうであると。さらに、②一括交付金化についてはこれは当初、各省庁の部局から出てきたのは28億円であったわけですが、総理が閣議、閣僚懇でもたび重ねて、いわば大きい声で督励をいたしまして、今年は都道府県段階だけですが、5500億の一括交付金化がなされようとしている。
私が先ほど申しあげたきょうご出席の2人のまあ、皆さん方も改革派と、あるいは地域主権、分権推進派と、こういうふうに目されるお二人の知事からも歴史を画するものが総理のリーダーシップによって、できつつあるというご評価をいただいている。名実ともにこの一括交付金、出先機関改革は総理のリーダーシップによって、日本の国のかたちまで変えるというのができつつあると思う。
で、国の形という観点から言いますと、もう1つの大きい総理のリーダーシップは、これは鳩山総理も大変ご熱心にお進めいただいたわけだが、「新しい公共」。これを推し進めるための③市民公益税制。税額控除の導入です。で、ここに50%まで、まあ上限が設定されるわけですが、寄付金の50%までが税額控除されると。これは極めて画期的な制度です。
つまり民の資源配分を、一度、パブリックセクターを通さないで、民が自分で資源配分を選択し、行使できるということです。
すべてかみにお任せすればパブリックセクター、あるいは公共性・公益性なるものが、従前に措置されるという発想から、一人ひとりが自らの収入の中からパブリックセクターをつくっていくと。そのために寄付をするんだと。あるいは労力を提供すると。そういう新しい公共をつくるための市民公益税制が導入されると。
この、ある意味で大胆なシステムを決意して強力に進めてきたのも、菅総理のリーダーシップです。これは、余分のことですが、皆さん方も、給料の10%くらいは、つまり何十万くらいになると思いますが、これをどっかに寄付をしていただきたいと。そして記事にしていただきたい。「おれはここにこれだけの寄付した」ということをぜひ、自らも実行しながら宣伝をしていただきたいと思います。
仮に、これは財務省は嫌でしょうけども、1兆円という額が税額控除されるという事態が起こったら、日本は確実に変わります。確実に変わります。つまり、1人1人がパブリックセクターを担うということになるわけですから、確実に私は国の形までも変えていくだろうと思っております。で、そのことについて、総理が市民運動に若いころに携わってきた経験から、これを何としてでもやろうということでリーダーシップを発揮した。
それから、もちろん、④明日からの沖縄訪問、そして⑤諫早湾干拓事業についての上告をしないその決定、⑥今回の法人税減税ということも総理の決断、リーダーシップであります。つまり、これは皆さん方ご承知通り、いまも各省庁、あるいは、利害を有する団体や個人が多い中に、乱暴にということではなくて、皆さん方の意見をよく聞き、各部局の意見を聞きながら、しかし、この際は日本の未来にとって、この方向で解決しなければならないという思いで決断をした。
それから三段構えの景気対策。⑦予備費の9200億円の、これの先行的な使い方、そして⑧補正予算、そして⑨現在の予算の組み方、法人税減税もそうでありますが、そういう三段構えの景気対策も総理のリーダーシップです。⑩新成長戦略実現会議の設置とここでの行動というのも、総理の決断と指示に基づくものです。
それから先般の⑪社会保障改革検討本部設置と、⑫社会保障改革と、⑬税制の抜本改革。これを一体的に進めるというのも、総理のアイデアと決断です。さらに内閣を担って最初に行ったのは、⑭口蹄疫対策としての大胆な資源投入です。これは自衛隊と言わず、警察と言わず、人員をでき得る限りと言いましょうか、無理をしてでも最大限投入をし、そして宮崎県とも大胆に国費を投入しての埋却地の買収、あるいは埋却の集中的な実施ということで、口蹄疫を完全に短期間で封じ込めた。
それから先般の⑮鳥インフルエンザ対策も、総理の決断によって、早急にですね、始終少々の批判、つまり「やりすぎだ」という批判ありましたけども、これも非常に大胆な措置でありましたけども、島根県のこの鳥インフルエンザ対策は、現時点では誠に見事に封じ込めが成功していると。私どもは考えている。
⑯硫黄島の遺骨収集、⑰新卒者の雇用、⑱HTLV(骨髄性白血病)の施策、⑲待機児童の施策、これで特命チームを設置して、スピード感のある行政執行を展開している。HTLVについては、浅野史郎さんがそのことを新聞にも書いていたと記憶している。⑳羽田のオープンスカイも総理の決断でいち早く行った。外交に関しては、?チョナン号事件(韓国の哨戒艇沈没事件)では、国連安保理の議長声明について、G20やG8の場を有効に使って、チョナン号事件での議長声明を出すことにリーダーシップを発揮した。
?8月10日の韓国併合100年の総理大臣談話、これも総理が朝鮮儀軌の引き渡しともども決断をして、スムーズにいっている。?イラン制裁で、イラン革命防衛隊まで制裁対象に加えるという決定は、国際的にも大胆なこと。アメリカとイランの核開発を阻止する。そのためのNPT体制を守る決意として非常に効果的な制裁に日本も協調した。
?EPAについても11月に包括的経済連携に関する基本方針を総理のリーダーシップで閣議決定した。現にインド、ペルーとのEPAが締結された。?横浜APECでは横浜ビジョンを取りまとめた。日本とベトナム首脳会談を行って、?レアアース、?原子力発電の共同開発、あるいは協力のもとにベトナムの資源の開発とインフラを構築していくことに戦略的に共同していくということが決められたのも総理のリーダーシップである。
?TPPの検討と、食と農林水産業再生推進本部の設置も総理のリーダーシップである。?日中首脳会談、これがブリュッセルと横浜で行われた。みなさんが承知の事情がありながら、最終的には総理の決断で行って、これから日中が新たな21世紀の戦略的互恵関係をつくっていく基本的なポジションをつくることができた。
現時点では?アフガニスタン支援についてもアメリカと協議しながら、より強力に進めていくという決断もした。?COP10、COP16について総理のリーダーシップのもと松本環境大臣ともども、現状のような格好で、日本的には成功裏に推移していると私どもは考えている。
…まあ、なんというか、本当に、自分たちの主観の中では、素晴らしい実績を挙げている立派な政権と思っているのでしょうね。なんか幸せそうで、ほほえましい限りですね。国民はいい迷惑ですが。仙谷氏が必死でやってきた宿題に、一体、何点をつければいいのか…。
 
杜父魚文庫

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