英国高裁、ジュリアン・アサンジの釈放を決定、保釈金は31万6000ポンド。米国は「公電漏洩はスパイ行為」と起訴の方針。豪州は証拠不十分として不起訴。
いま世界一「有名(悪名?)な人物はジュリアン・アサンジ。なにしろ恒例『TIME』誌の年末号の表紙を飾る「年男」でも、人気投票では第一位を獲得したが表紙にはなり損ねた。
スェーデンからの訴えにより婦女暴行容疑で拘留されていたアサンジは、英国高裁の保釈決定により、釈放された(16日)。保釈金は31万6000ポンド、条件は決められた住所に住み、毎日地元警察に報告し、しかも電子タグがつけられ、居場所はナビで突き止められるという厳格な条件。イングランド南部のバーガス・スミス邸に身柄を移された。スミスは英国のリベラル・ジャーナリスト。
ウィキリークの創設者=アサンジは『婦女暴行など、罪をなすりつけようとしたキャンペーンでしかない』と犯行を否認し、「次なる脅威は米国のうごきだ」と記者会見した。
我慢ならないのは25万点もの外交公電を漏洩された米国である。外交文書は機密であり、守秘義務を破ってアサンジに情報を提供したのはマニングという軍人だった。
しかしアサンジは「彼に情報提供を要請したり、煽ったり、鼓舞したりしたことはない。そもそも情報提供者は匿名であり、われわれ受け取り側も誰が情報源かを知らない。われわれはマニングと面識さえない」と発言した(アルジャジーラ、12月18日)。
他方、アサンジの故郷は豪州。ジュリア・ジラード首相は「公電漏洩は無責任きわまりない」が、「証拠が不十分であり、豪州は彼を起訴しない方針である」と発表した。
さてウィキリークに含まれている日本関係の機密公電は、一説に五千件以上といわれており、主に北朝鮮、沖縄関連の情報だという。
杜父魚文庫
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