6908 二十日は暮の長い一日になりそう  古沢襄

十二月二十日は暮の長い一日になりそうである。国内では菅首相と小沢一郎氏が会談することに注目が集まっているが、コップの中の嵐に過ぎない。やはり緊迫している朝鮮半島情勢の方が、わが国にとって最大の関心事なのである。
ロシアが国連安全保障理事会の招集を要求し、関係国が協議に入ったが、日米韓が北朝鮮を擁護する中国と折り合いをつける可能性はない。韓国を支持する米国・英国・フランスと、北朝鮮を擁護する中国の立場が真っ向から対立しているのだから、堂々巡りの議論で終わるであろう。
韓国軍関係者は20日午前、黄海の延坪島(ヨンピョンド)での射撃訓練を同日中にも実施する方針を明らかにした。延坪島周辺はまだ霧に覆われているが、天候の回復を待って射撃訓練を開始する構えを崩していない。韓国の中央日報は「ロシアの突然の”安保理カード”に後頭部を殴られた」と自国の立場を表明し、ロシアにも不信感をつのらせている。
韓国が予定通り射撃訓練を開始すれば、北朝鮮軍は延坪島などに海岸砲を撃ち込むだろうか。これまでの声明を額面通りに読めば、前回を上回る砲撃戦を仕掛ける公算が高い。砲撃には砲撃で応じる連鎖の局地戦になる可能性がある。
それでも局地戦が延坪島周辺にとどまっていれば、短期日で北と南の衝突は納まるであろう。少なくと韓国軍はそう読んでいる筈である。戦火が朝鮮半島の全体に広がる可能性を否定している。それを祈りながら、朝鮮半島情勢を注目している。
杜父魚文庫

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