1957年から始まったドイツの徴兵制は54年間続き、その歴史を今閉じようとしている。今週最後の義務の徴兵検査を受けたドイツ全国で12,500人の19歳の若者が6ヶ月間の国防軍での兵役を始めた。
息子は9ヶ月間山岳隊で兵役を経験したが、昨年から短縮されて6ヶ月間となっている。
「リンクス、ツボー、ドライ、フィアー/左、2,3,4 」の号令を聞けば、ドイツの男性は反射的に直ぐに背筋が伸び、顔が厳しく引き締まり、あの最高に厳しかった基礎訓練等を懐かしく思い出す。
それは850万人のドイツ人男性達が祖父、父親、息子、孫へと続いたドイツの男の歴史と伝統文化の1つでもあった。人生の”特別の時期”であったと多くの体験者は懐かしそうに語る。
個人主義のドイツ人が、制服を着て団体生活をし、規則正しい秩序ある生活、肉体と精神の限界まで鍛える訓練は大きな人生の本当に特別の学びの場となり、あの体験が無ければ今の自分はないとさえ聞く。
やがてはEUの軍隊になり、中止になると言う話は以前からあり、廃止を惜しんで反対する意見も多くあった。東西ドイツも統一し、事実上冷戦が終わったが、しかし経済的余裕がないと言う厳しい時代となっている。
法的には4月1日から義務では無くなるが、7月1日から志願兵を募り、給与体系も大幅に改善される。
今まで良心的兵役で、老人ホーム等での仕事を選択した制度も、本年の7月1日からは男女共のボランティア活動に切り替わる。
現在25万人の制服を着た兵士がいるが、定期的に1,5万人志願兵を採用して18,5万人増やすが、半年間は仮採用となる。
国民の危機意識が強くなっている今の日本では、今こそ真剣にこの徴兵制を採用する論議と核武装論議が必要ではないでしょうか。
杜父魚文庫
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