■大胆不敵のチャイナ、今度はスペイン国債を60億ユーロ(6500億円)
李克強副首相がマドリッド訪問、サバテロ首相と会見。中国の外貨準備高は2兆6480億ドル。分散投資に踏み切り、日本国債を買い始めたかと思いきや、財政危機に陥ったギリシア国債を30億ドル購入し、EU諸国は中国の大胆不敵な投資行為を複雑な心境で目撃した。
1月5日、李克強副首相はスペインを訪問した。中国人民銀行副総裁をともない、「スペインと中国は古い友人、最大の友誼を」云々と共同会見した。
翌日、北京は財政危機の最中にあるスペイン国債を60億ユーロ購入すると発表した。外貨準備をこのように「政治」と「外交」の武器化している。
英フィナンシャルタイムズが一面トップで報道(7日付け)、米ウォールストリートジャーナル(同日)も大きく報道し「これは中国の分散投資の一環」と評した。
世界銀行は人民元建て債権を初めて発行すると発表したが、これも人民元の国際的地位の躍進を象徴する。すでにADB(アジア開発銀行)が人民元建て債権を発行したほか、香港では人民元建ての中国の国債が売られている。
軍事面で空母、ステルス戦闘機製造など「大躍進」の中国だが、金融面でも主要なプレイヤー入りしている事実を等閑視すべきではないだろう。
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◎毎日一行◎ それでも中国各地での暴動は激化、社会不安は増大している
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■地下シェルターにお隠れになっていた「北」の将軍様
ウィキリークスの暴露に追加するかたちで、最新の韓国情報筋に拠れば、2010年11月28日から翌月1日まで米空母ジョージ・ワシントンが参加した黄海での韓米合同訓練の期間、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長はなんと九日間も、地下シェルターで隠遁生活をしていたことが判明した。
これは米空軍のステルス機F-22ラプターに対する恐怖のためと韓国軍関係は総括している。
とくに米韓合同訓練の際、F-22は空中給油機とともに韓半島上空で待機していた。もし北朝鮮がミグ戦闘機を飛来させ挑発したときは、これを攻撃するのが任務だったともいう。
F-22は現在の北朝鮮のレーダーではよほど近くに接近しなければ探知できない。金正日は脅威を感じて逃亡したわけだが、2003年にも、80日以上、イラク戦争前後などでは49日間隠遁した。
韓国は金正日の動きを24時間衛星で監視しているが、特別列車の動向に神経を尖らせており、盗聴やヒューミットでも常に将軍様の行方を追跡・把握している。
金正日は20カ所余の「特閣」という名前の別荘を巡回し、ときに白頭山の最高司令部指揮所にも滞在するという。
多くの「特閣」には深く掘った地下要塞が備わり、また平壌の指揮所には順安飛行場に直結する地下鉄があるともいわれている。
杜父魚文庫
7003 スペイン国債と地下シェルターの話題ふたつ 宮崎正弘
宮崎正弘
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