7009 迷彩服にアイロンをかける韓国軍 古沢襄

延坪島(ヨンピョンド)砲撃で一気に緊張関係が高まった朝鮮半島だが、北朝鮮軍も韓国軍も警戒態勢を一ランク下げたという。最前線で対峙している両軍だが、いつまでもゴム紐を目一杯伸ばし放しにした状況を続けるわけにはいかない。北朝鮮の海岸砲部隊は24時間、軍靴を脱がずに臨戦態勢にあった。その特別警戒勤務態勢を命令前の水準に戻したことが分かった。韓国の東亜日報が伝えている。
そんな空気を反映しているのか、朝鮮日報には「迷彩服にアイロンをかける韓国軍」というお笑い記事が出ている。世界最強の米軍、日本の自衛隊も戦闘用の迷彩服にアイロンをかけることはしない。韓国軍だけが二等兵から大将までアイロンをかけているというのだから几帳面といえば几帳面だが何となく漫画チック。
でも、それが話題になるということは、張り詰めた緊張がいくらか和らいできた証左なのかもしれない。
<北朝鮮軍が西海(ソヘ)部隊に対して下した特別警戒勤務態勢命令を最近、解除したことが分かり、韓米連合軍司令部も4日付けで、対北朝鮮監視体制「ワッチコン」を1ランク下げたという。
政府関係者は6日、「北朝鮮軍が昨年11月21日、我が軍の護国訓練と関連して下した特別警戒勤務態勢命令を最近、解除した」とし、「西海岸の北朝鮮海岸砲部隊の動向も、特別警戒勤務態勢命令前の水準に緩和したと聞いている」と明らかにした。同関係者は、「北朝鮮側が特別警戒勤務態勢を解除したことを受け、韓米連合司も4日付けで、北朝鮮監視体制であるワッチコンを2段階から3段階へと下方修正した」と付け加えた。
韓米連合軍司令部は昨年11月23日、北朝鮮からの延坪島(ヨンピョンド)砲撃挑発直後、ワッチコンを3段階から2段階へと1ランク格上げしたことがある。ただ、軍関係者は、「韓米連合司のワッチコン下方修正措置とは関係なく、西海の北朝鮮と接する地域や軍事境界線周辺の北朝鮮軍の動向は、引き続き細かく監視している」と話した。(東亜日報)>
<将官であることを示す車両・執務室用の星板説明要】、将星(将軍)旗、将星曲、将官用の拳銃・ベルト・戦闘靴、専任の運転兵、将官専用の食堂・理髪所・風呂場、官舎の公館兵…。現在、大領(大佐に相当)から将官に昇進し「星」をぶら下げるようになると、こうした特典を受けられる。このため、将官が執務室の電話を自分で取ったり、兵士たちと一緒に入浴したりすれば、話題にもなる。
今月3日、韓国陸軍は、将官用の戦闘靴・ベルト、拳銃を下げるための革ベルト、星板の使用を一定の用途に限ることとした。「戦う軍隊」に変わるというわけだ。当然だといえる。この機会に、幾つかもっと考えてみたい。
韓国軍の戦闘服は「迷彩服」だ。迷彩服とは、敵の偵察で簡単に見つかってしまわないよう、特殊な模様(迷彩)を施した服のことだ。偵察で見つからないためには、迷彩と共に、服そのものが自然なものでなければならない。このため、迷彩服にはアイロンをかけてはいけない。世界最強の米軍も、迷彩服にアイロンはかけない。ほかの先進諸国でも、迷彩服にアイロンがけはしないことが分かっている。
ところが、韓国軍はやる。以前より減ったとはいえ、二等兵から大将までやる。アイロンをかけるだけでなく、角を立て、筋までそろえる。敵の前で「わたしはここにいるぞ」と言っているのと同じだ。これはささいなことか。そうではない。戦う心構えができておらず、もったいぶって格好付けようと考えているわけだ。これは、野戦型の軍人ではない。
西側のある人物が、ある時、板門店の北側から南を見る機会があったという。その人物は、板門店の共同警備区域(JSA)で勤務する韓国軍の姿を見て、衝撃を受けたという。その人物は「権威ある制服のようなものを着て、黒いサングラスをかけた韓国軍を見て、一体どちらが独裁国家でどちらが自由国家なのか、見分けがつかなかった」と語った。
その人物の言葉を聞いて、そうとも思えるという考えが浮かんだ。どうしてそのように一律に黒いサングラスをかけているのかと尋ねたところ、ある軍関係者は「JSAで向かい合う北朝鮮軍は殺気だったベテラン将校なので、視線で押される懸念があるため」と語った。視線で押されるのを心配するのなら、いっそ板門店の警備を米軍に任せて撤収すべきだ。板門店は最前線に当たる。当然、すべての軍人が戦闘服を着て、戦える姿勢で勤務しなければならない。
少し前まで、韓国軍の将校や将官は、白い階級章を身に着けていた。目立つ代物だ。戦闘時には、それこそ標的になる。戦う考えがなく、権威付けの考えがあるために、そんな階級章を身に着けているのだ。変更された今の階級章も、偽装が十分考慮されたのか、あまりにも大きすぎないか、疑問がある。
6日付の本紙1面に掲載された在韓米軍司令官の姿を見よ。司令官の戦闘服にある唯一の階級章は、いつでもはがせるようになっている。各軍の名札や帽子などについても、目立つことと関連し、幾つか批判がある。国防部と鶏竜台(陸海空三軍統合本部)、主要部隊にある将官用食堂・風呂場なども、軍が行政官僚化した象徴だという指摘がある。このように、ささいに見えるが深刻な問題点を解消できなければ、戦う軍隊といっても口だけだ。(朝鮮日報)>
杜父魚文庫

コメント

  1. おおかみ4 より:

    実は我が日本国陸上自衛隊でも迷彩戦闘服にアイロンがけをしています。
    テカテカに光っていて滑稽ですが、アイロンがけをサボると注意されてしまいます。
    防衛省に意見具申して頂けませんか?
    実は陸自内部でも30年前から馬鹿な習慣だという声はあるし、日米共同演習時に米兵に笑われるのが嫌でたまりません。米兵に言わせると自衛官は「飾りの人形兵隊さん。」なのだそうです。

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