7078 アフリカへ金堀に行く江西省マフィア 宮崎正弘

中国の金堀師らは江西省チワン自治区上林県明亮鎮マフィア。アフリカへ中国金堀集団はすでに一千グループが出稼ぎにでた。
アフリカ各地で中国人が「活躍」している。ガーナとアンゴラで金を掘っているグループは千を超えている。どういう人々が熱帯の炎天下に炭坑夫さながらの重労働に耐えて稼ぎにいくのか、興味があった。なぜなら江戸時代、佐渡金山、山梨金山などへ独特の職人が向かっていたから。
『南国早報』が伝える最新の情報によれば、アフリカへ出かけて金を掘り、三年間で十万ドルから四十万ドルを稼ぎ出し、故郷へ錦を飾る男らが続出しているという。近年の金ブームが背景になり、高騰した金の延べ棒に世界の金持ちが群がる。
江西省チワン自治区は広東省の南、ベトナムと間に挟まれた貧困地帯。チワン族はおよそ六百万人と推定されるが漢族との同化が著しく、まだ漢族の入植も夥しくなって、いまや広西チワン自治区の『独立』はあり得ない。
この省の省都は南寧。上林県はすぐ側、その県のなかに明亮鎮がある(鎮は日本の行政単位の村だ)。嘗てこの地方は鉱物資源が豊富で、炭坑夫出身の堀師が多い。
いまも徒弟制で大工やレストランの請負と同じ。つまりレストランは”ボス”一人に、コック、料理人、マスターなどがセットでくっつく。コック長がむくれると、全員がレストランをやめるので、翌日、その店がいきなり『休業』となるのは中国的特徴である。
金堀グループも同様だった。ボスが七人から十人の集団を組織して、機械を調達し、地の果てアフリカはガーナとアンゴラへ出稼ぎに行く。金を掘るのである。
 
炭坑町、鉄鉱石採石場など荒くれ男が多く、博打が流行る。博打ですった猛者、荒くれはすぐに集まる。アフリカだろうが、シベリアだろうが、彼らは博打の借金を抱えて、働かざるを得ないのである。
三年働いて十万ドルから、中には五十万ドル貯めたボスもいる。労働者はこの十分の一。それでも中国へかえれば自動車が買える。
江西省マフィアでアフリカへ金堀にでかけているのは六千人と見積もられている(Global Times、1月20日)
杜父魚文庫

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