国際宇宙ステーションに物資を運ぶ宇宙輸送船「こうのとり」が、H2Bロケットに搭載されて、鹿児島県の種子島宇宙センターから22日打ち上げられた。まさに宇宙を天翔る夢のロケット、日本の世界的な技術力に国民は酔った。
だが、この成功を中国や北朝鮮は複雑な思いで見ていただろう。危機感を持ったと言ってもいい。韓国も同じである。
それは「ミサイルを打ち上げて、敵の目標に弾頭を誘導する技術」と、「ロケットで人工衛星を打ち上げて、目標の軌道に投入する技術」は、まったく同じ技術なのである。それは北朝鮮が打ち上げたテポドン・ミサイルを衛星打ち上げだと詐術を弄したことをみれば、容易に理解できるだろう。
日本は平和憲法で他国を攻撃するミサイルを持つ意図はない。だから鹿児島県の種子島のような戦略的にみれば裸同然の島に宇宙センターを置いている。戦争放棄をしていなければ、敵ミサイルを邀撃する距離を保った太平洋側の島に宇宙センターを置いて、自衛隊が完全な防備を固めるだろう。
日本人は平和を志向する民族だから、中国や北朝鮮も理解していると思うのは甘すぎる。六年前に中国の環球時報(2005年06月07日)が次のような論文を掲載している。「日本の大企業は軍工場を準備 洗濯機工場でミサイル製造可能」という記事。多くの日本人は一笑に付したのだが、中国人はそう思ってはいない。
<<日本の媒体の報道によると、日本の三菱重工は最近ある軍用工場の修復を終えた。これらの生産工場は、平時は利用されていないが、各種の設備は調整が終わっている先進のものであり、一旦需要が発生すると、直ぐに大量生産が可能である。
民間企業の背後に軍用生産
現在、日本の自衛隊の武器需要は限られている。日本の一部の大企業は軍用操業の不足の状況においても、軍用品を製造する機械、生産ライン、工場等の設備を今なお残しており、戦争が勃発した場合、直ぐに戦時の軍用品生産が開始できるようにしている。三菱重工以外、日本の造船工場、家電生産企業は専門の軍用品生産工場を持っていない。企業は毎年多くの資金をこれらの工場に支出し、定期検査を行い、保守し、いつでも使用できるような「命令を待つ」状態にしているのである。
第二次大戦後の日本の軍用生産体制は一貫して「民間委託」であり、国家は専門の武器装備生産工場を設立せず、武器装備の大部分、研究、生産任務は、防衛庁との協力方式により民間企業に委託された。「金剛」駆逐艦や「90式」戦車などの武器相互は三菱重工グループによって作られた。
現在、日本で軍用装備を生産する企業は2500社であり、軍用品の研究、製造に携わる職員は4万人、年度生産規模は200億ドルである。これらの軍用装備の生産は三菱重工、川崎重工、三菱電機、東芝、日本電気、小松製作所、日立製作所と富士通などの20の大型企業の手の中にある。そのた2400の中小企業は下請けを通して、生産権を取得する。これらの大企業は自動車、船舶、エンジン、家電、電子設備等の民用製品の生産と同時に、民用製品の開発により蓄積させた先端民用技術を絶えず軍事領域に応用しているのである。
例えば、小松製作所の生産した装甲車は、建築機械や液体圧縮技術、工業ロボットの自動制御技術、オフロード車の技術、特殊車両の特殊な鋼板技術などの先端民用製品生産技術を使用している。
日本政府の積極育成政策
第二次大戦後日本の軍事産業は一旦崩壊したが、朝鮮戦争の勃発により、日本の軍事産業はすばやく復興し発展した。日本政府は軍事企業の軍事装備生産の積極性を保持し、設備と技術を他の製品のに振り向けるのを防止する為、軍事産業に対して保護と育成措置を行った。具体的には、
一、政策上の育成。日本政府は重点軍事企業と主要な生産総額の10%以上軍用品を生産している企業を重点軍事企業とし、実際の政策で経費を重点投入する。例えば防衛庁は毎年同一の主要企業と契約を結び、必要な数量の軍事発注を行い、利益を30%程度上のせさせ、企業に軍用品の生産を奨励しているのである。
二、経営の積極関与。日本政府は毎年一部の自衛隊を退役した高級官僚を主要な軍事企業か軍事産業内の組織の要職につかせ、軍隊と企業の関係を強化している。また、「日本兵器工業会」、「日本造船工業会」、「日本防衛装備工業会」等の一部の民間軍事団体は政府と企業の橋渡しの役割を担っている。
三、企業の優良化。軍事生産構造の合理化のため、戦時動員と組織生産のため、日本政府は軍事生産を多くの企業に分散させ、過度に数社に集中しないようにしている。特に独特の技術をもつ中小企業には分散して発注しも、競争を促している。
巨大な軍事生産能力を備える
目下、日本の軍事生産潜在能力は巨大であり、戦時の生産能力は驚かされる。日本は非常に実力のある自動車、造船、鉄鋼、航空などの民間工業を有している。さらに加えて、自主開発と既に準備された先端の軍事技術によって、一旦需要が生まれれば、日本の武器生産能力は直ぐに数倍、数十倍にも増大する。
日本の戦車の生産企業は三菱重工、日本製鋼、小松製作所の3社だけだが、もし、一部の自動車の生産ラインが戦車を生産したならば、戦車の年生産は1万台に達するのである。さらに、日本の陸海空三軍の自衛隊が装備するミサイルの90%は国産技術であり、これらのミサイルの生産の大部分は電器工場と洗濯機工場が担っている。
日本の造船業は世界の先端であり、航空母艦と核潜水艦の生産能力を既に備えている。さらに驚かされるのは、もし日本か゜戦後の平和の看板に掲げている「武器輸出三原則」が破棄された場合、日本の製造した軍用製品が日本の家電製品と同様、全世界に出現することである。日本のある研究機関の予測によると、日本が一旦国際軍事貿易に参加すると、日本の軍事メーカは軍用電子市場の40%、軍用車両の46%、艦艇市場の60%を占めるとさせる。
現在、日本の軍事企業は政府が「武器輸出三原則」を解除することを期待している。一旦、原則が突破されれば、彼らの軍用品が大量に輸出され、生産コストが下がり、日本企業にさらに先端の武器装備の生産の刺激になるであろう。>>
杜父魚文庫
7092 ミサイルとロケット技術は同じ 古沢襄
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