エジプトのムバラク大統領は1日、テレビを通じて九月大統領選に不出馬を表明したとカイロから英ロイター通信が伝えてきた。もともと82歳のムバラク氏は九月に引退すると見られていたから、この表明は大統領を即時辞任しないと言ったことに等しい。
カイロ中心部のタハリール広場に集まった市民からは、即時辞任を要求する声が直ちに上がっている。
またムバラク大統領はエジプトの地に骨を埋めると、海外に亡命するつもりがないことを強調した。「エジプトはわたしの国であり、わたしが生きてきたところだ。わたしは戦い、その土地と主権と利益を守ってきた。わたしはその地で死ぬ」と述べている。
こうなると、エジプト軍の動向が注目される。軍が反政府デモに荷担する”寝返り”は考えられないが、軍首脳が協議してムバラク退陣を早める動きが出るかもしれない。
<[カイロ 1日 ロイター]エジプトのムバラク大統領は1日、テレビを通じて演説し、再選は目指さないが、円滑な権力の移譲に向けて任期を全うする方針を表明した。同大統領は82歳。
エジプトでは約30年にわたって独裁支配を続ける同大統領の退陣を求める大規模な反政府デモが続いており、大統領の方針表明に対して、カイロ中心部のタハリール広場に集まった市民からは、即時辞任を要求する声が直ちに上がっている。
ムバラク大統領はまた、エジプトの地に骨を埋めると述べ、政変によってサウジアラビアに亡命したチュニジアのベンアリ前大統領と同じ道はたどらない決意を強調した。
大統領は「わたしの国であり、わたしが生きてきたところだ。わたしは戦い、その土地と主権と利益を守ってきた。わたしはその地で死ぬ」と述べた。
大統領選は9月に実施が予定されている。(ロイター)>
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7162 ムバラク大統領、九月大統領選に不出馬を表明 古沢襄

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