7171 戦うに時があり 和睦するのに時がある 柴わんわん

古澤様にご紹介いただいた「ハンナの日記」絶版のため未だ入手できてませんが、私には、この本に挿みたい新聞の切抜きがあります。
その切抜きは長く「アンネの日記」に挿まれていました。ユダヤ人という理由だけで虐殺されることも、それを避けるための隠れ家にあって希望を失わないアンネの強さも、子供の頃の私には信じ難たく「アンネの日記は」繰り返し読んだ本でした。
今その切抜きはアンネの日記と並んでいる「幸せな子」という本に挿まれてます。
強制収容所で父弟妹を殺され、母とはぐれ、アウシュビッツをたった一人で生き延びた少年の自伝です。著者のトーマス・バーゲンソール氏は後にアメリカで国際法を学び現在国際司法裁判所判事を務められています。「力」によって父弟妹を殺されたにも拘わらず、「法」によって世界に平和を構築したいという信念に、人間の叡智を信じたいという痛切な願いを感じ畏敬の念を抱きました。
そして今民族の誇りとイスラエル建国のため命をかけたハンナを知りました。「勝利の日まで戦い続けよ」と言い残したハンナに切抜きを捧げるとどのような表情が浮かぶか分かりません。
しかし、この三冊に切抜きを捧げたいです。そこには、パレスチナ暫定自治基本合意に調印した時のラビン首相の演説が記されてます。
「天の下の全ての事には季節があり全ての業には時がある」という聖書の一節を引き
生まるるに時があり 死ぬるに時がある
植えるに時があり 収穫するのに時がある
泣くに時があり 笑うに時がある
愛するに時があり 憎むに時がある
戦うに時があり 和睦するのに時がある
「和睦の時が来た」事を信じた演説でしたが、後ラビン首相は同胞に暗殺され今なお和睦も平和も訪れていません。
出エジプト以来かの地は民族と信仰の違いにより、それぞれが誇りをかけて戦い続けています。今まさに大きなウネリが起ころうとしている時、流されてきた幾多の血と涙に応える世界が構築されることを願ってやみません。
イツハク・ラビン(1922年3月1日 – 1995年11月4日)=イスラエル首相(第6代、第11代)、1992年に再度、首相に就任する。アラブ側との和平を進め、1993年にオスロ合意に調印、1994年にはヨルダンとの平和条約に調印する。その功績により、ヤーセル・アラファート、シモン・ペレスと共にノーベル平和賞を受賞した。
1995年11月4日にテルアビブで催された平和集会に出席、和平反対派のユダヤ人青年イガール・アミルに至近距離より銃撃され死亡した。志し半ばの無念の死だった。
杜父魚文庫

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