7197 新聞各紙の気になるベタ・ミニ記事について 阿比留瑠比

本日はふと思い立ち、2月に入ってからの新聞各紙のベタ記事、ミニ記事で目を引いたものを見繕い、一言コメントをつけてみました。だからどうだということはありませんが、けっこう小さなベタ記事も面白いものです。
1日付産経ベタ「歴史にも『疎い』!?首相が答弁を訂正」…《首相は、約20分後に自ら発言を求め「満州族というべきところを蒙古族といったことを訂正する」と述べた》→これ、菅氏は本当に清王朝は蒙古族の王朝だと勘違いしていたのではないかと。
1日付東京ベタ「柳沢氏の起用『矛盾しない』枝野官房長官」…《枝野氏は「別に柳沢さんの人格や能力を否定して不信任案を出したわけではない。その時点における国務大臣としての言動に対し、野党として姿勢を示した」と述べた》→安倍内閣の厚生労働相だった柳沢伯夫氏の「女性を産む機械に例えると」という発言が、言葉狩りにあったのはもう恩讐の彼方なのか。
2日付産経ミニ「革マル系労組から献金『断る』」…《枝野氏は1日の衆院予算委員会で「今後は『李下に冠を正さず』ということもあり献金などは断らせていただく」と述べた》→この問題を産経が昨年6月に報じた際には、枝野事務所は「政治資金規正法にのっとり、適性に処理している」としか答えなかったというのに。
2日付朝日ベタ「拉致問題で外相 直接協議に意欲」…《前原誠司外相はこれまで2回、北朝鮮を訪問した経験があることを明かし、拉致問題を進展させるため北朝鮮との直接協議を目指す姿勢を強調した》→前原氏は京都府議時代、地元の織物会社が北朝鮮に工場をつくる際に助言だかお手伝いだかをしたそうですが…。ハニトラ写真の件など、とかく北との関係がうわさされる人ですね。
2日付毎日ベタ「藤井氏『活動費 知らない』」…《藤井裕久官房副長官は1日の衆院予算委員会で、旧自由党幹事長だった02年当時、政党交付金を含む約15億円が藤井氏あてに「組織活動費」などの名目で支出されていたことについて「知らない。私はお金を受け取っていない」と関わりを否定した》→藤井氏は相当、小沢一郎氏に対して含むところがありそうですね。
3日付東京ベタ「『与謝野氏転身理解できない』鳩山前首相」…《民主党の鳩山由紀夫前首相は二日、都内で講演し、入閣した与謝野馨経済財政担当相について「ある日突然、自分が批判していた党に協力する立場は、政治家として全く理解できない」と批判した》→鳩山氏周辺によると、鳩山氏は自分を「平成の脱税王」と読んだ与謝野氏のことは決して許さないだろうということです。鳩山氏も鳩山氏ですが、そんな党内に波紋を広げる人を起用する菅氏も菅氏ですね。
4日付毎日ミニ「民主党マニフェスト『一部の人作成』桜井副財務相」…《桜井充副財務相は3日の会見で、民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)で掲げた最低保障年金制度の創設に必要な額が試算されていないことについて、「アバウト(大まか)な数字ですらなかったことに驚いている。マニフェストを作った人たちにきちんと説明してもらいたい」と苦言を呈した》→まあ、こんな声が内部から公然と漏れだしたら、政権崩壊は近いでしょうね。
4日付日経ミニ「小沢氏『3月解散あり得るぞ』」…《小沢氏は同行した民主党衆院議員に「3月に衆院解散があり得るぞ。菅さんは首を差し出す人じゃない」と述べ、2011年度予算関連法案が成立しなかった場合、菅直人首相は内閣総辞職を選ばず、衆院解散・総選挙に踏み切るとの見方を示した》→まあ、確かに菅氏の往生際の悪さはその通りでしょう。ぜひ解散してもらいたい。
4日付日経ミニ「実績がほしい」…《「革命家という表現は一見格好いいが、そうじゃない。実務家として実績を歴史に刻める人でないといけない。おれは頑張りたい」(菅直人首相が辻元清美氏らとの会合で)》…結局、私利私欲、自分の名誉のことしか考えていないと。このままでは、歴史に「無能の人」という評価が刻まれそうですからねえ。
5日付朝日ミニ「首相『死ぬ気でやれ』社会保障改革案づくりを鼓舞」…《「死ぬ気でやれ」――。菅直人首相が4日、社会保障改革案づくりを進める大塚耕平厚生労働副大臣に不退転の覚悟を迫った》→まず隗より始めよ、という言葉を贈りたいですね。自分はどうなんだと。
5日付産経ミニ「小沢氏『参院選、どういうわけか大惨敗』」…《民主党の小沢一郎元代表は4日夜、熊本市内での同党議員のパーティーで「昨年の参院選で勝利するために鳩山由紀夫前首相と私が身を引く決断をしたが、どういうわけか大惨敗になった。ここから今日の国会の苦悩が始まっている」と、皮肉を交えて菅直人首相を批判した》→恩着せがましい。
5日付産経ミニ「『民主への期待感消失』鳩山氏危機感」…《鳩山由紀夫前首相は4日、北海道根室市内での会合で「民主党自身に対する期待感が消えうせようとしている状況だ」と危機感を表明した》→そうさせたのはあなただろうに。
5日付産経ベタ「市民団体が小沢氏告発」…《市民団体「政治資金オンブズマン」(大阪市)のメンバーらは4日、小沢氏と改革フォーラム21の会計責任者だった平野貞夫元参院議員に対する告発状を東京地検に送付した》→小沢氏の政治資金問題はそう簡単にはカタがつきそうにありません。
5日付日経ミニ「首相は天才」…《「かねて言っていた政府や首相を追及する言葉が、ブーメランのように返ってきている。ブーメラン投げの天才だ」(みんなの党の渡辺喜美代表が、菅直人首相を批判)》→私も記事で、菅氏を「ブーメラン投げ」の名手、名人芸と書いたことがありますが、天才とは…。
5日付読売ベタ「予算関連法案『年度内は困難』小沢氏」…《民主党の小沢一郎元代表は4日、2011年度予算関連法案について、「参院で過半数が割れている状況では本当に厳しい」と述べ、年度内成立は難しいとの認識を示した》→こうなることは分かり切っていたのに、菅氏も党執行部もどうしてこう危機感が薄かったのか。そのうちなんとかなるだろう~体質ですね。
6日付朝日ミニ「非小沢、くだらない」…《前原誠司外相は5日、山梨県昭和町での民主党参院議員の会合で「私は非小沢と言われる。非常にくだらない分け方だ」と発言。同席した輿石東参院議員会長を「親小沢と言われるが、心から尊敬し、お世話になっている」と持ち上げた》→前原氏も、ポスト菅が見えてきたとあって、輿石氏にすり寄っています。そういえば菅氏も以前、輿石氏のことを「人生の師」と持ち上げていましたっけ。
6日付産経ベタ「メディア攻撃1カ月 普通は死にたくなる 小沢氏弱音」…《強制起訴された民主党の小沢一郎元代表は5日、広島県尾道市で開かれた同党の会合で「普通だったら新聞、テレビに1カ月も攻撃されれば、大概の政治家は死にたくなる」と弱音を吐いた》→自分は大概の政治家ではないと。
6日付読売ベタ「公約修正の動き 小沢元代表批判」…《民主党の小沢一郎元代表は5日、広島県尾道市で開かれた同党参院議員の会合で、党内の衆院選公約修正の動きについて「難しいからとやめてしまっては何のための政権交代か」と批判した》→本当に、いったい何のためだったのか。
6日付朝日ミニ「『こき下ろすのが快感の人がいる』仙谷氏、野党を批判」…《民主党の仙谷由人代表代行は6日、さいたま市内で講演し、菅直人首相が求める与野党の政策協議について「単に(政権を)こき下ろしたり、なじったりするのが快感になる人がいて、なかなか協議の土俵に上がれないのがつらい」と語り、菅内閣の退陣や衆院の解散・総選挙を求める野党の姿勢を批判した》→自分たちがどうだったかは忘れて、こういう下品な物言いをする人がいるから協議が進まないのでしょうに。
7日付産経ミニ「自民に戻れば80年代の英国」…《前原誠司外相は6日、神奈川県小田原市の集会で「民主党が期待通りのことをやってないからと言って自民党に戻せば(政権交代のたびに停滞した)1980年代の英国のようになってしまう」と強調。》→菅氏も鳩山氏も前原氏もそうですが、民主党のメインプレーヤーの人たちは、ことここに至っても、自分たちのやってきたこと、やっていることが正しいと信じているようなのが不思議でなりません。どうしたらそんな自信が持てるのかうらやましい。
…こうして見ていると、政治家たちがいかに政局的発言を繰り返しているかが分かります。マスコミはよく、もっと政策本意で記事を書けと読者や政治家に叱られるわけですが、読者はともかく、政治家はいつも自分がどううまく立ち回り、都合のいいことを発信しようかと虎視眈々であるものです。なので、どうしてもこっちもそれに引きずられます。
特に、無役の上に刑事被告人となった小沢氏は、こうして常に発信を続けないと、存在感を発揮できず、影響力も維持できないので、マスメディアを非難しつつ、それを利用しようとします。まあ、こっちも分かっていて、乗せられているわけですが。すみません、どうでもいい話でした。
杜父魚文庫

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