「民主党の体たらくに落胆した」という日本航空の稲盛和夫会長の発言だが、朝日、毎日、読売、産経の四紙で微妙に違いがみえる。民主党政権に対する失望という点では同じだが、その原因をどこに求めるのか。稲盛氏は”小沢叩き”だけに狂奔している菅・仙谷コンビに愛想を尽かしたのだが、そのニュアンスが伝わっているところと触れていない差がはっきりしている。
<◇「こんなつもりで支援したわけではない」
会社更生手続き中の日本航空の稲盛和夫会長は8日、東京都千代田区の日本記者クラブで講演し、民主党政権について、「現在の体たらくに落胆している。こんなつもりで支援したわけではなかった」と述べた。
稲盛会長は、自民党の一党支配を崩す2大政党制が必要との持論から、私費で意見広告を出したり、03年の民主・自由両党合併にも尽力するなど、民主党の支援者として知られてきた。
だがこの日の会見では、民主党について「真の民主主義確立のために支援してきたが、これも民主主義の結果」と皮肉り、「この後、新しい政治体制ができるのでしょうが、静観します」と突き放した。具体的に不満な点や、「新しい政治体制」が何を意味するのかなどの説明はなかった。(毎日)>
<日本航空の稲盛和夫会長は8日、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見し、民主党政権について、「現在の体たらくをみると、こういうことで支援したつもりはなかったので、大変落胆をしている」と述べた。
稲盛氏は、民主党が野党の時代から、同党の支援者として知られている。
稲盛氏は「これも民主主義の結果だろうと思っていて、色んなことが起きて再度新しい政治体制ができあがってくる」と指摘した。今後の民主党との関係については、「1回目の政権交代可能な状態までは一生懸命、熱を入れてやったが、私も年だし、あとは静観してみていこうと思っている」と語り、距離を置く考えを示した。(読売)>
<「現在の体たらくには、たいへん落胆している」。民主党の応援団で、小沢一郎元代表とも親しい日本航空の稲盛和夫会長が8日、東京の日本記者クラブで会見し、菅政権に苦言を呈した。
稲盛氏は「政(まつりごと)を執り行うリーダーは無私の精神でなければ政を遂行していけない。あまりにも私事で凝り固まり、自分自身も見失ってしまうことが多いのではないか」と語り、権力闘争や政局に明け暮れる菅政権を批判。「(政治に)一生懸命熱意を入れてやってきたが、あとは静観してみていこうと思う」と、失望感もあらわにした。(朝日)>
<内閣特別顧問を務めている日本航空の稲盛和夫会長は8日、日本記者クラブ主催の記者会見で、政権運営と党内運営の両方で苦悩している民主党の現状について「大変落胆している」と述べた。菅直人首相は頼りにしていたブレーンに愛想を尽かされた格好だ。
稲盛氏は二大政党制の定着を目指し、小沢一郎元代表や前原誠司外相らを長年支援してきたことで知られている。稲盛氏は「民主党が政権をとってよかったと思ったが、現在はこの体たらく。こういうことで私は支援をしたつもりではなかった」と突き放した。今後の支援活動については「年も年だし、あとは静観していく」と語り、身を引く考えを示した。
さらに、今後の政界の展望について、稲盛氏は「いろんなことが起きて、再度新しい政治体制ができ上がっていくのだろう」と語った。(産経)
杜父魚文庫
7204 稲盛・日本航空会長:「民主党の体たらくに落胆」 古沢襄

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