鳩山由紀夫前首相が沖縄県地元紙のインタビューで、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の県外移設を断念する理由として「在沖縄海兵隊の抑止力」を挙げたことを「方便だった」と語った。
民主党政権の外交・安全保障政策の信頼性を著しく損ね、政府の沖縄県との移設交渉はさらに難航するのは確実。
ただでさえ国会運営に行き詰まり、内閣支持率の低迷で青息(あおいき)吐息(といき)となっている菅直人首相にとって鳩山氏は最大の「難敵」と化している。
「(鹿児島県)徳之島もダメで(沖縄県名護市)辺野古となったとき理屈付けをしなければならなかった。抑止力は方便といわれれば方便だが、広い意味で使えると思った」
鳩山氏は13日付の琉球新報、沖縄タイムスのインタビュー記事でこう語った。
鳩山氏は昨年5月4日、首相として沖縄訪問し、県外移設断念を表明。その理由を「学べば学ぶにつけ、海兵隊のみならず、沖縄の米軍がすべて連携しており、その中で抑止力が維持できる」と説明した。これが「方便」にすぎなかったというわけだ。
琉球新報は激高し、社説に「これほど言葉の軽い政治家を見たことがない。そして自らの言葉に無責任な人も。万死に値する」と記した。
慌てた鳩山氏は14日、都内で記者団に「『方便じゃないですか』と聞かれたから『そう言われたらそうかもしれない』と答えた」と釈明。「後付けで学んでいくとこういうふうに解釈できるな、という発想で言った」とも語った。
政府は火消しに躍起となった。首相は14日夜、記者団に「海兵隊を含む在日米軍全体はわが国の安全に重要な役割を果たしている」と強調。枝野幸男官房長官も「海兵隊が沖縄にあることが極東の安全に寄与する」と語った。
鳩山氏は昨年6月の首相退陣時に任期限りの引退を表明し「首相たるもの影響力を(退任の)その後行使しすぎてはいけない」と語った。にもかかわらず引退を撤回し、首相の足を引っ張る形でひたすら影響力を行使する。事例は枚挙にいとまがない。
首相が民主党の小沢一郎元代表の排除を狙うと小沢氏と連携して対抗。沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で日中間がぎくしゃくすると「(日中関係は)私の首相時代に非常によくなってきた」とあてこすった。
党執行部がマニフェスト(政権公約)見直しを検討し始めると衆院解散の必要性に言及。首相がメドベージェフ露大統領の国後島訪問を「許し難い暴挙だ」と批判すると「強硬姿勢ばかりではダメだ」といさめた。
首相の施政方針演説も「(自らが提唱した)東アジア共同体構想のメッセージが消えた」と皮肉り、自らを「平成の脱税王」と呼んだ与謝野馨経済財政担当相の起用にも強い不快感を表明した。
なぜ鳩山氏は首相の後ろから鉄砲を撃つような発言を続けるのか。普天間問題 海兵隊の抑止力「方便だった」 鳩山氏は「政権最大の難敵」
鳩山氏周辺は「菅氏は副総理だったのに鳩山氏が普天間で一番苦しんでいる時に『われ関せず』と逃げ、ちゃっかり後継に納まったからだ」と打ち明ける。
「私と小沢氏が身を引いたから首相になれた恩を忘れている」との思いもあるようだ。ある野党幹部は「鳩山氏は民主党のオーナー意識が抜けない。消費税率引き上げなど自分が示した方向と異なることをやるのは許せないのだ」と解説する。
今月9日、鳩山氏は日印関係の国際会議への協力要請のため、安倍晋三元首相と会談した際、首相についてこう愚痴った。「あの人は本当に何を考えているのか。変な人です。せっかく(自分の政権で)よいことをやっていたのだから、それを続けていただきたい」(産経)
杜父魚文庫
7247 鳩山氏は「政権最大の難敵」 阿比留瑠比

コメント
「口が軽い」、「うそつき」、「政策立案・実行能力無し」、「国家意識無し」等々が鳩山氏の特質である。この特質は一人鳩山氏だけのものではない。全ての民主党の構成員に共通している。マスコミの人は何故こんなとんでもない政党と男に権力をとらせた日本の選挙民を非難しないのであろうか? 愚かな投票行動をとる有権者には、その愚かさに見合った結果があるのみである。愚かな民の頭上には愚かな政治がもたらす災厄が降り注ぐ。因果応報とはよく言ったものである。