7264 中国の軍拡で米軍が東シナ海にも出動できなくなる?(2) 古森義久

日本ビジネスプレスの古森義久の連載コラム「国際激流と日本」の紹介のつづきです。中国の軍拡で日米同盟もゲームチェンジを迎える、という趣旨です。有事に米軍が出動できなくなって、同盟が機能しなくなる可能性の指摘です。
なお原文へのリンクは以下です。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5474
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ちなみにゲームチェンジというのは、それまで競技していたゲームが、例えば野球からサッカーに変わってしまうほど根本から変化してしまうことを指す。単にルールやスコアの変化ではなく、ゲーム自体が他の競技になってしまうというわけだ。
「第1列島線」の中に米軍を近づけさせないこの「日米同盟ゲームチェンジ論」をエリクソン氏の発言から紹介しよう。
同氏は中国の海軍力の研究を専門とし、米国海軍大学で教えるほか、自ら「洞察中国」と題する研究所も主宰している。中国の軍事力の研究を主眼とし、その同盟諸国への影響も一貫してフォローしている気鋭の学者である。
今の米国の安全保障関連の分野では、この種の中国軍事専門研究者が数を増してきた。その1人であるエリクソン氏は、次のような趣旨を報告するのだった。
「中国は東アジアにおいて、米国の軍事力を正面から抑えつけようと試みる最初の国家となってきた。具体的には、第1列島線と呼ぶ日本、台湾、フィリピンを結ぶ海域内で、米軍に対する接近阻止能力を強化しつつある。
第1列島線は南シナ海、東シナ海、黄海が主体となる。この海域内で中国が軍事行動に出ると、米軍が急遽、出動して反撃あるいは抑止に出る。この米軍の『接近』の動きを、中国が阻止しようという能力を強めているのだ。
有事が発生した際、米軍が現場に接近できなければ、米国のアジアでの同盟の意味は大きく変わってしまう。例えば、南シナ海での有事の際に、米軍の空母ジョージ・ワシントンが横須賀から現地に接近できなくなってしまうという事態が起こり得る。これがゲームチェンジなのだ」
エリクソン氏は、東シナ海もこの「根本的な変化」の舞台になるとしている。つまり、東シナ海の尖閣諸島を巡る有事が発生した際も、同様の懸念が向けられることとなる。(つづく)
杜父魚文庫

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