チュニジア+エジプト民衆蜂起は今やリビアに伝染してしまった。欧州にとっては一難去ってまた一難!
一つは難民問題。これまで聞いたことのないLampedusa (=ランペヅーザ)約20平方キロ米(直径9キロ米、幅三キロ米)人口約4500人、観光業及び漁業で暮らしているイタリアの小島が目下、EUでは注目を浴びている。
なぜか。この島はチュニジアとイタリアのシチリア島との中間にあることから例のチュニジア民衆蜂起後、新しく民主政治への道を探り始めたのはいいが、政治が落ち着くまでには時間が掛かるというので、この死角を狙い、運び屋が暗躍し、夢の欧州に渡れば、職にありつけると持ちかけ、一人1000~2000ユーロをせしめ、若者(中には子連れの姿もある)たちをこの島にボートで運び込んだ。
その数5000人。エジプト革命?でメデイアの視線がエジプトに集中し、人々がそのニュースに気を取られているスキを見事に突いての荒稼ぎである。
この欧州の弱みに付け込んでリビアのガダフイはここ数年EUに対して、アフリカ大陸からの難民をリビアサイドで食い止めてる代償にEUに年間5000万ユーロを要求してきた。
EUとしては、ガダフイが難民を本国へ追い返してくれる汚れ約引き受けてくれるのなら、こんな有難いことはない。とはいえ、昨今、このEUの弱点を突いてガダフイはより高い代償をEUに要求し、EUを困らせてきた。いやならEUをアフリカ人の海にしてしまうと脅迫しているのだ。
というわけで、これまでお互いに=リビアとEUだが、距離をおきつつ「あ・うんの仲」でお付き合いしてきたものだ。
ところがどうだ。この汚れ役ガダフイが今やリビアの民衆に突き上げられ失脚一歩手前の危機にある。EUとしては痛し痒し!。これEUにジレンマである。
さても二つ目は何よりも、この国は世界の二%を占める油田国。それゆえ、英仏独伊和などは、このリビア民衆蜂起、何よりもエジプトの管轄下にあるスエズ運河の運命もオイルを含め欧州とアジアを結ぶ実に重要な航路だけに・・・、今後一体どう展開するものか、気が気でなく、息を詰めて見守っている。
欧州は、アメリカは、そして日本は?今後の動きが見ものであります。
そういえば昨日早速、オイル急騰ニュースが欧州を駆け巡り、欧州オイル市場を騒然とさせております。
杜父魚文庫
7309 日本のメデイアが見落としている中東動乱の節穴二つ クライン孝子

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