英ロイターが「世界で最も住みやすい都市ランキング・ベスト10」をあげている。オーストラリア五都市、カナダ三都市それにフィンランドとニュージーランドの各都市。
住みやすい条件は①治安がいい②物価が安い③公共の福祉が整っている、といったところであろう。英誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)の評価だから、イギリス人の感覚な点は割引きしても、英本土の都市よりもオーストラリア、カナダ、ニュージーランドといった国々の都市の方が住みやすいと、当のイギリス人が考えている点が興味深い。
ニュージーランドのクライストチャーチで22日発生したマグニチュード6・3の地震で、多数の日本人が被災したが、日本人の長期滞在者が多いのに驚いた。エコノミストの調査ではニュージーランドのオークランドが10位に入っているが、クライストチャーチもかなりの高い評価を得ているのではないか。
ただ日本人にとって語学の壁がある。クライストチャーの語学学校「キングス・エデュケーション」が人気が高かったのは、そこで英語を習得して語学の壁を乗り越えたいという思いがあったのだろう。英語力を高めて、海外で看護活動をやりたいと言っていた女性もいた。
翻って日本の都市はどうなのだろうか。エコノミストの調査では「世界で最も住み難い都市ランキング・ワースト10」も発表している。アフリカや東南アジアの都市が多いのは、治安が悪いのと不衛生な都市環境のせいなのだろう。
日本の都市は①治安と②公共の福祉では高い水準にある。しかし物価が高く、若者の働く環境が悪化している。閉塞感から海外に目を向ける若者が増えているのかもしれない。ニュージーランドに日本人が多く行っていることは、一面では喜ぶべきことだが、それだけ日本の都市に魅力が失せていることなのかもしれない。そんな思いでクライストチャーチの被害者が早く救出されることを願っている。
<[シドニー 21日 ロイター] 英誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)がまとめた世界で最も住みやすい都市ランキングで、カナダのバンクーバーが5年連続で1位になった。
EIUは世界の140都市を対象に、治安状況や医療サービス、文化、環境、教育などの30項目を基に「住みやすさ」を数値化。バンクーバーは昨年に続き98%をマークし、2007年から続く首位の座を維持した。
ランキングのトップ10都市のうち、カナダとオーストラリアが計7都市を占めるなど、上位陣の常連に大きな変動はない。このほか、パリが16位、ロンドンが53位、ニューヨークが56位となった。
アジアの最高位は大阪の12位で、東京は18位。香港が31位、北京が72位となっている。昨年に引き続き、ワースト1はジンバブエのハラレ。ベスト10とワースト10のランキングは以下の通り。(ロイター)>
<ベスト10>
1.バンクーバー(カナダ)
2.メルボルン(オーストラリア)
3.ウィーン(オーストリア)
4.トロント(カナダ)
5.カルガリー(カナダ)
6.ヘルシンキ(フィンランド)
7.シドニー(オーストラリア)
8.パース(オーストラリア)
9.アデレード(オーストラリア)
10.オークランド(ニュージーランド)
<ワースト10>
1.ハラレ(ジンバブエ)
2.ダッカ(バングラデシュ)
3.ポートモレスビー(パプアニューギニア)
4.ラゴス(ナイジェリア)
5.アルジェ(アルジェリア)
6.カラチ(パキスタン)
7.ドゥアラ(カメルーン)
8.テヘラン(イラン)
9.ダカール(セネガル)
10.コロンボ(スリランカ)
杜父魚文庫
7313 世界で最も住みやすい都市ランキング・ベスト10 古沢襄

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