台湾では大方の人たちが日本や日本人に好意を示してくれます。この点を否定する日本人はNHKの例の「反日台湾番組」の制作者たちぐらいでしょう。
ではなぜ台湾の人たちがいまもなお日本に温かい思いを抱いていてくれるのか。その疑問への答えの一端をつかんだ気がしました。それは小田滋氏の著書「堀内・小田家三代百年の台湾」という書を読んだからです。
著者の小田滋氏は周知のように国際司法裁判所の判事を長年、務めた日本法曹界の重鎮です。しかしこの小田氏が台湾と深いかかわりがあったことを私はこの書を拝読するまで知りませんでした。
本書の内容は帯では以下のように表現されています。
「台湾の歴史の一側面。医学教育に生涯を捧げた祖父、大学医学部創設に尽力した父、そして青春の地として台湾のその後を見守り続ける著者、三代の軌跡を通して見る台湾」
本書は共通の知人を通じて著者の小田滋氏から寄贈されました。小田氏は現在は東京に在住され、なおお元気です。
この書は著者の小田氏の祖父、堀内次雄氏と父の小田俊郎氏がともに台湾の医事と衛生に文字どおり一生を捧げた記録を主体に、著者自身の台湾での生活の回顧を書いています。
著者が述べるように、それぞれ「台湾を愛し、台湾人を尊敬した」記録でもあります。
李登輝元総統自身がよく述べるように、当時の日本は台湾の統治に当時の日本の持つよい部分を全力で投入したことが、この書を読んで、実感として伝わってきました。今日の台湾を理解するうでも必読の書だと思いました。
内容(「BOOK」データベースより)
医学教育に生涯を捧げた祖父・大学医学部創設に尽力した父、そして、青春の地としての台湾のその後を見守り続ける著者、三代の軌跡を通して見る台湾。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 小田 滋
1924年札幌生まれ。1947年東京帝大法学部卒業。1959年東北大学法学部教授(1976年まで)。1976年国際司法裁判所裁判官(2003年まで)。1985年東北大学名誉教授。1994年日本学士院会員。2003年オランダより帰国。2003年瑞宝大綬章。2004年仙台市名誉市民。2005年弁護士登録。2007年文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
杜父魚文庫
7318 台湾の人はなぜ日本が好きなのか 古森義久

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