中東情勢をアメリカはどうみるのか。大物の上院議員2人が語るのを聞いて、記事を書きました。やや勝手な解釈とも思えますが、それでもアメリカではこういう見解が主流ということでしょうか。
〔ワシントン=古森義久〕中東各国を歴訪したばかりの米国上院の有力議員2人が3日、中東情勢について「エジプトなどでの反政府の動きは米国が信奉してきた理念の普遍性の証明だ」として歓迎するとともに、リビアに対しては飛行禁止区域の設定を提唱し、反カダフィ派への武器供与をも考えるべきだと主張した。
エジプト、チュニジア、イスラエルなどを歴訪して数日前に帰国したばかりの共和党のジョン・マケイン、無所属のジョー・リーバーマン両上院議員は3日、ワシントンのブルッキングス研究所主催の討論会で演説し、まず危機の高まっているリビアについて「オバマ政権がカダフィ大佐の退陣を明確に求めるにいたった以上、米国も行動を取る必要があり、まずリビア上空に飛行禁止区域を設けるべきだ」と提唱した。
(マケイン上院議員)
リーバーマン議員はさらに「米国は西欧の同盟諸国の協力を得て反カダフィ勢力に武器を供与することも選択肢の一つとすべきだ」と述べ、マケイン議員もこの案を検討することに同意した。ただし両議員とも米国がリビアに直接の軍事介入をすることには明確な反対を表明した。
(リーバーマン上院議員)
中東全体の激動についてはマケイン議員は民主化の特徴を指摘して「米国が建国以来、信奉してきた理念の普遍性を中東の人々も認めた結果だ」と述べ、米国人は歓喜すべきだと強調した。しかし同議員は「歴史的にはこういう革命が不運にも過激派組織にハイジャックされた例もあるので、こんご慎重に対応せねばならない」と述べ、とくにエジプトのムスリム同胞団の実態に疑問を感じるとして懸念を表明した。
リーバーマン議員も「チュニジアやエジプトの政変は国民多数が政治的自由や経済的機会など米国の建国の価値観と同じ理念を求めた平和的革命だ。その『武器』はフェースブック、ツィッター、グーグルなどみな米国製であることに米国人は誇りを感じてよい」とも述べた。
杜父魚文庫
7372 中東での民主化の「平和的武器」はみなアメリカ製 古森義久

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