7395 公明党の山口代表が土肥隆一氏を厳しく批判 古沢襄

民主党の土肥隆一衆院議員が竹島(韓国名・独島)の領有権を放棄すべきだと日本政府に訴える共同宣言に署名していた問題について、公明党の山口代表は10日午前の党中央幹事会で「極めて不見識であり、看過し得ない行動だ」と厳しく批判した。
この事件が露呈してから。菅首相、枝野官房長官らは、土肥氏が首相が率いるグループ「国のかたち研究会」顧問を務め、首相への影響力もなお大きいうえ、衆院政治倫理審査会長として小沢一郎元代表の国会招致の動きに積極的に加担したこともあって、何となく歯切れが悪い。領土問題に関する民主党政権の「主権意識」の希薄さをまた露呈した形となった。
<公明党の山口那津男代表は10日午前の党中央幹事会で、民主党の土肥隆一衆院議員が竹島(韓国名・独島)の領有権を放棄すべきだと日本政府に訴える共同宣言に署名していた問題について「極めて不見識であり、看過し得ない行動だ」と批判した。
山口氏は、土肥氏が菅直人首相を中心とするグループに所属していることに言及し、「首相のおひざ元の議員が国の方針に反する行為をするのは理解しがたい。首相は民主党代表としてもきちんとけじめをつけるべきだ」と強調し、党として処分を行うべきだとの考えを示した。(産経)
<<政権の「主権意識」の希薄さをまた露呈 野党は徹底追及 民主内紛にも新たな火種>>
菅直人首相と長年行動をともにしてきた民主党の土肥隆一衆院議員が、韓国で日本政府に竹島の領有権主張の中止を求めた問題は、民主党政権の主権意識の希薄さを改めて浮き彫りにした。自民党は徹底追及する構えを見せており、すでに手詰まり状態となっている菅政権にさらなる打撃となった。もし首相が、土肥氏の行動に何の対処もできなければ、日本のリーダーとしての資質さえも疑われかねない。(今堀守通)
土肥氏は産経新聞の取材に共同宣言の内容を理解した上で署名したことを認め「キリスト教的アプローチだ」と釈明。「議員は国益を担っている。私の個人的な考えであり、私一人の責任だ」とも述べた。
とはいえ、韓国による主権侵害を容認する行動は軽率では済まされない。しかも土肥氏は、首相が率いるグループ「国のかたち研究会」顧問を務め、首相への影響力もなお大きい。
これでは首相がいくら領土に関し政府見解を踏襲しても「本音は違う」と疑われても仕方がない。かつて首相は拉致実行犯の辛光洙(シンガンス)元死刑囚の釈放嘆願書に署名しただけになおさらだ。
そうでなくても政権は竹島に関し迷走してきた。
「竹島を韓国が不法占拠」とする政府の公式見解があるにもかかわらず首相らは「法的根拠がない形で支配されている」と繰り返し「不法占拠」との表現を避けてきた。対中、対露外交がこじれる中で日韓まで悪化させたくないと考えたようだ。
それでも今春には竹島問題を明記した学習指導要領解説書に基づく中学教科書の検定結果が発表される。政府が「竹島は日本固有の領土だ」と毅然とした姿勢を示さなければかえって問題はこじれてしまうはずだ。
ところが、首相にその覚悟は見えない。土肥氏の行動を「大変遺憾だ」と語ったとはいえ、今後の対応はまたも党執行部に委ねてしまった。
枝野幸男官房長官も逃げ続けた。9日の記者会見で土肥氏の問題を問われても「政府も民主党も竹島が歴史的にも法的にも日本固有の領土であることは一貫して変わるものではない」と繰り返すばかりだった。
ただ、自民党が見過ごすはずはない。小野寺五典外交部会長は「事実ならば議員辞職勧告に値する」と語り、10日の党外交部会で取り上げた上で国会で徹底追及する考えを示した。
大島理森副総裁は「日本の国会議員としてあるまじき恥ずべき行為だ。民主党や政権の正統性を否定する象徴的な“事件”だ」と批判。安倍晋三元首相も「国家、主権、領土に対する民主党の体質を表しており、看過できない」と語った。
民主党でも憤りの声が相次ぐ。渡辺周党国民運動委員長はBSフジの番組で「あってはならない見当違いであり撤回すべきだ。放置すれば党が黙認したことになりかねない。公の場で説明していただきたい」と指弾。斎藤勁民主党国対委員長代理も「信じられない」とあきれ、ある若手は「これでは左翼政権だと思われる。議員辞職ものだ」と怒りを爆発させた。
一方、土肥氏は衆院政治倫理審査会長として小沢一郎元代表の国会招致の動きに積極的に加担した。小沢系議員は意趣返しの格好の材料を得たわけだ。「菅降ろし」の動きはますます加速するに違いない。民主党の瓦解はもはや止めようがない。(産経)>
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