15日午前6時過ぎ、東京電力・福島第一原子力発電所の2号機で爆発音があり、この爆発により、原子炉を覆う格納容器の一部が破損された可能性がある。このため福島原発の復旧作業に当たる関係者以外の従業員には原発所長によって避難命令が下された。
極めて重要な事態となったが、現地からの情報が乏しい。テレビでは連日のように識者が解説をするのだが、情報がないので的確な判断を下せないでいる。東電本社の広報関係者も情報が得られていないので、自信をもった説明ができずに、ひたすら謝り続ける対応しかできない。
誰もが最悪の事態に近づいていると予感しているが、それを言いだし得ないから、ひたすら最悪の事態を回避することを願って、少しでも良い希望的な情報にすがっている。
15日未明、福島県と県境を接する北茨城市で、大気中の放射線量が上昇を始めた。福島第一原子力発電所の2号機での爆発の影響なのであろう。さらに南に位置する茨城県東海村にある東京大学の施設では、午前7時46分に放射線の値が★毎時5マイクロシーベルト★を観測した。
この数値は東海村の原子力施設が原因だったら、周辺住民に避難命令がでる異常値である。しかし東海村の原子力施設には異常が認められないから、北茨城市と同様に福島第一原子力発電所の2号機での爆発で大気中の放射線量が一時的に飛んできたものであろう。
しかし東海村の原子力施設を持つ茨城県民は、隣県の福島原発の爆発事故には神経質になっている。政府や県は風評被害が広まる前に「これは福島原発のトラブルの影響だから、人体への影響はありません」と積極的に広報活動をすべきである。茨城県東海村は福島原発から110キロしか離れていない。
<茨城県は15日未明、福島との県境の北茨城市で測定している大気中の放射線量が午前0時20分から上昇を始めた、と発表した。午前5時50分には1時間あたり5575ナノグレイに達した。県原子力安全対策課によると、この値は胸部レントゲン1回で浴びる放射線量5万ナノグレイの約10分1にあたり、健康に影響はないとみられるという。
値は上昇と下降を繰り返している。県は、東京電力福島第一原発の爆発で放出された放射性物質が風で運ばれてきた可能性が高いとみており、「今後の見通しは全く分からない」としている。(朝日)>
杜父魚文庫
7429 福島原発から110キロの茨城県東海村の不安 古沢襄

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