7439 「イラ菅」に戻ってしまった・・・ 花岡信昭

国難ともいえる今回の巨大地震。そのとき、国家リーダーはどうあるべきか。阪神淡路大震災のときの村山富市首相は「なにせ、初めてのことじゃから」と対応の遅れを釈明した。
今回は菅直人氏。いずれも社会主義から政治の世界に入って行った政治家が、政権交代によって首相になったという奇妙な一致がある。
菅首相は15日早朝、東電本社に乗り込み、福島原発への対応について、「テレビで爆発音が放映されて1時間ぐらい官邸に連絡がなかった。いったいどうなっているのか」と幹部たちをどやしあげた。廊下にまで聞こえるほどの怒りようだったという。
これはだめだ。東電の対応のまずさはあれこれ指摘されているが、こういう国家の緊急事態に直面して、国家リーダーがそんな姿を見せて、どうする。
発生の翌朝にヘリで現地に入ったり、自衛隊の増員を一気に倍の10万人にせよと指示したり、やることなすこと、感情のおもむくままに思いつきで行動しているように見える。そうではない、ちゃんとやっている、というのだろうが、国民の側からそう見えてしまってはだめだ。
関係者すべてが不眠不休で、ぎりぎりの力を出して対応に当たっているのだ。どやしまくりたい思いをこらえ、部下たちの力をどう引き出すか、腐心している地方の首長たちも多いはずだ。
「イラ菅」が戻ってしまった。この首相は何度もこういう場面を見せつけてきた。厚生相としてエイズ問題などにあたったときもそうだった。
厚生省では大臣室から灰皿を撤去したという。ときに灰皿が飛んでくるからだ。(あの当時はまだ大臣室で喫煙できた)
国民すべてがさまざまな境遇、立場で不安にかられているときに、国家リーダーがこういう「短慮型」では困ったことだ。
「殿、しばしお待ちを」とうしろから羽交い絞めにしていさめる側近はいないのか。
もっとどっしりと、周辺にまかせるものはまかせて、テレビカメラの前では、いたずらにピリピリした表情を見せるのではなく、国民に少しでも安心してもらえるように・・・そういう注文をつけたいのだが、無理だろうか。
無理ならば、これはまず民主党に考えてもらわなくてはならない。解散・総選挙をやっているような余裕はないから、党内でこれぞ国家リーダーという人に代えてもらわないといけない。
日本人の礼節さ、倫理観が世界中から賞賛されているのだ。首相がひとりで青筋立てていきり立っているのでは話にならない。
杜父魚文庫

コメント

  1. yosi より:

    菅のリーダーシップなど語るだけ時間のむだである。
    この男は社会でまともにリーダーとして仕事をしたことがない。市民運動という大衆扇動の経験しかない。それで一家を養っていた男である。一頃の総会屋とどこが違うのか。
    それよりも問題は東電の無責任さである。社長をはじめとする彼等の対応は独占企業に於ける「生活の知恵」で養われたものであろう。今後現場で作業を行なっている作業員に、もしも重大な被爆等があれば、危機管理体制のありかたを含め、東電は大きな非難を浴びるであろう。そして福島の原発は1~6号まで含めて廃炉という事態に陥るかもしれない。
    心配なのは無責任で場当たり的な民主党政府と東電に命じられるままに現場で働く人々の被爆事故であり、将来の健康被害である。彼等にはこれからも養わなければならない家族があり、小さな子供もあるであろう。リーダーの責任は重大である。

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