7454 仙谷由人氏を異例の官房副長官に起用 古沢襄

菅首相は藤井裕久官房副長官を急遽交代させて仙谷由人党代表代行を官房副長官に起用する人事を決めた。藤井氏は総理補佐官に回る。表むきは78歳の藤井氏が体力の限界を訴えたことになっているが、参院で問責決議が可決され、1月の内閣改造で官房長官を辞任して閣外に去った仙谷氏の官房副長官起用は様々な臆測を呼んでいる。
やはり東日本大震災の対応で未曾有(みぞう)の危機を迎えた菅内閣なので、危機感を持った首相が切り抜け策として仙谷氏の手腕が不可欠と判断したとみられている。
大震災から1週間を迎え、福島第一原発の事故や計画停電による混乱、被災地への救援物資の遅れなど政府の対応が後手後手に回り、菅政権に対する批判が高まっている。この結果、前官房長官の仙谷氏を枝野官房長官を支える副長官に起用する異例の人事となった。
<菅直人首相は17日、前官房長官の仙谷由人民主党代表代行(65)を官房副長官に起用する人事を決めた。同日夜の皇居での認証式を経て正式に就任する。24時間態勢で災害対応にあたる首相官邸内で、78歳の藤井裕久官房副長官から「そろそろ限界だ」との申し出があったため、仙谷氏と交代することになった。藤井氏は首相補佐官となり、定員の関係から首相側近の加藤公一補佐官が退任して藤井氏に席を譲る。
仙谷氏は参院で問責決議が可決され、1月の内閣改造で閣外に去っていた。枝野幸男官房長官の前任の長官で、長官経験者が副長官に起用されるのは極めて異例。枝野氏は17日夜の記者会見で「内閣官房のさらなる強化が必要との認識を首相が示している」と理由を語った。
首相官邸の地震対応を巡っては「菅首相や枝野氏が福島第1原発の対応に忙殺され、津波被災地への対応がおろそかになっている」との批判が与野党内から出ていた。仙谷氏は主に被災地支援を担当し、政府内や与党との調整役にあたる。(毎日)
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