7456 東日本大震災で自衛隊の存在が大きい 古沢襄

東日本大震災の被災地救援で自衛隊の存在が大きい。阪神・淡路大震災の初動で自衛隊の出動にアレルギーをみせた時とは大きく違う。それだけ国民の間に自衛隊に対する信頼が高まってきた現れであろう。自衛隊もその信頼に応えて頑張っている。
これだけの広域の大災害で、しかも全国から救援物資が届けられていると、警察力や消防団、民間ボランテイアの力だけでは対処できない。それと目には見えないが、県や市町村の職員が献身的に頑張っている。東北では市町村会議員も市町村の職員と一緒になって、救援活動をしている姿が目立つ。
政府の対応は後手後手に回ったが、自衛隊や地域の市町村の職員、消防団などの活躍によって、救援活動が軌道に乗りつつある。自衛隊を暴力装置と失言した仙谷氏の官房副長官の起用は違和感が残るが、後手後手に回った官邸機能を立て直す効果があるかもしれない。
仙谷氏は災害支援に関する省庁間調整を担い、首相官邸の体制を強化するのが狙いだというから、過去のいきさつはひとまず置いて、その手腕に期待しよう。
<防衛省は17日、自衛隊による東日本大震災の被災地への救援物資の一括輸送態勢を整えた。自治体や民間団体、企業が提供する大口の物資が対象で、都道府県ごとに指定する自衛隊施設に持ち込んでもらい、自衛隊が輸送する。個人による小口の物資は受け付けない。
これまでに個人が自衛隊施設に直接物資を持ち込んだことによる混乱が生じており、枝野幸男官房長官は17日の記者会見で、「混乱を避けるため、善意の申し出は都道府県の窓口に相談してほしい」と呼びかけた。
また、自衛隊による輸送は、生ものなど賞味期限の短い食料やガスボンベなどの危険物は輸送できず、保存の利く食料、水、毛布などが中心となる。
物資提供を申し出る団体は、都道府県の窓口に種類や数量を連絡することになる。これを受けて、都道府県が自衛隊の窓口と相談の上、物資提供者に集積地を伝える。物資は申し出た団体自身で指定された自衛隊施設に持ち込む。
防衛省は詳細について、都道府県には全国知事会から、市町村や住民には都道府県から広報してもらうことにしている。(産経)>
<政府は17日の持ち回り閣議で、藤井裕久官房副長官(78)を首相補佐官に充て、後任の官房副長官に前官房長官の仙谷由人民主党代表代行(65)を起用する人事を決めた。東日本大震災の被災者支援に向けて、首相官邸の体制を強化するのが狙いで、仙谷氏は支援に関する省庁間調整を担う。枝野幸男官房長官が17日の記者会見で発表した。【小山由宇、高山祐】
仙谷副長官は17日夜、官邸で記者団に対し「1000年に1回の大災害の中、被災者の皆さんに少しでも希望が見えるような何かをしたい。まず、モノがなくなって大変な生活を一刻も早く改善する」と述べ、被災地への物資輸送に全力を挙げる考えを表明した。仙谷氏は政府の緊急災害対策本部の下に設ける被災者生活支援特別対策本部(本部長・松本龍防災担当相)の副本部長に就任する。
仙谷氏の副長官起用について、枝野氏は17日の記者会見で「被災者の生活支援は、強力な政治力を要する仕事だ。関係省庁を調整していかなければならず、仙谷氏が適任と首相が判断した」と説明。高齢の藤井氏は連日の災害対応に「やや体の限界を超している」と周辺にもらしていた。首相補佐官の定員は5人で、藤井氏の就任により首相側近の加藤公一補佐官が退任する。
仙谷氏は昨年11月に参院で問責決議を受けており、菅首相も1月の内閣改造で官房長官続投を断念した経緯がある。しかし、参院運営を仕切る民主党の輿石東参院議員会長が17日午後の政府・民主党連絡会議後の立ち話で、首相に「(官邸強化に)使える人間なんて限られている」と話し、仙谷氏にも「ふるさと(官邸)に帰って仕事をしたらどうか」と打診。仙谷氏の起用が一気に進んだ。
問責決議を受けた仙谷氏は2カ月で官邸に戻るが、枝野氏は17日の会見で「国会内外の事情より、今は強力に震災対策を進めていく」と強調した。その上で「兄貴分」的存在の前官房長官との関係についても「長官として副長官に接する。仙谷さんも副長官の立場で接していただく」と言い切ったが、会見中、仙谷氏の役職を「官房長官」と言い間違える場面も2回あった。(毎日)
杜父魚文庫

コメント

タイトルとURLをコピーしました